*novel*

□*Like you*
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[Like you]
たった2文字を伝えたくて

でも
たった2文字が言えなくて



Like you




「…なんで言えないんだ」

彼―小狼―は、ふぅっと浅いため息を吐いて
隣で眠る彼女の頭を撫でる。




事の最中、彼女―さくら―はいつも俺に言葉をくれる。

何度も何度も
飽きるほどに浴びるその言葉



でもまだ俺は返したことがない。
軽々しく言える言葉ではないし、
何より恥ずかしい気持ちがあって。



まぁ…"さくら"に夢中になっているという理由もあるのだが。





「んー……しゃぉらんくん…


…すき…」



どきっ


「…寝言か…」


どんな夢を見ているのか、
さくらの突然の寝言に驚きつつも
込み上げてくる愛しさは止められない。



小狼はさくらの頬に軽くキスをして、ふっと微笑んだ。



…今なら言えるかも知れない。
さくらは寝てるし、多分聞いてないだろう。


よし。




「……………さくら、

………すき、だ」




言えた。

肩の力が抜けてベッドに沈んだ。
そして、何とも言えない達成感がそこにはあった。

多少卑怯な気がするけど。




「ありがとう、小狼君」


「……………っ!?」



この部屋には俺とさくらしかいない。
俺は喋ってないし…


…ということは……?



「さ、さくら…!起きてたのか!?」

小狼は顔を真っ赤にさせて声の主の方を見る。
声の主であるさくらは、嬉しさに満ちた顔で小狼を見ていた。


「…夢の中で小狼君が"すき"って言ってくれてね?
夢だけどそれが凄く嬉しくて…
そしたら、小狼君が本当に言ってくれてるのが聞こえたの」

「さくら…」


「…本当にありがとう、小狼君」



礼を言うのは俺の方なのに

俺はずっと待たせてばかりで




小狼はさくらを抱きしめて『ゴメンな』と呟いた。



今度は俺があげる番だ。



「さくら、すきだ」




Fin.
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