08/04の日記
13:28
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「ふむ……なんとも難解な」
ガッシュが見つけてきた本を前に、ゼオンは唸っていた。暗号は二重三重に巧妙に作られていて、解読はあまりに難関だったのだ。
「暗号を解読できそうな魔物に心当たりは無いか?」
本を手渡された日、ゼオンはガッシュに尋ねてみたものの、快い返事は返ってこなかった。
「この暗号を解読できそうな者といえば、私には一人二人しか思い浮かばぬ」
名前を聞かずとも、ゼオンにはそれが誰を指しているのかすぐにわかった。そして今その人物達からの協力は、決して得られぬであろうことも。
「ゼオンの方が頭が良い。この本はゼオンが持っていてくれ」
ガッシュはそう言って、本を兄に手渡した。だが流石の彼も、謎の暗号を解くことができない。
「くそっ! これさえ読めればもしかしたら……」
忌々しい暗号を前に、歯噛みする。
「第一なんで暗号などで書き記されているんだ、この本は!」
パラパラと宙でページをめくっていた時、はらりと一枚の紙が本のページの間から舞い落ちた。
「……今のはなんだ?」
ゼオンは落ちた紙切れを拾う。その紙には、メモのような走り書きが記されていた。暗号ではない普通の文字で。
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