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□花びらの舞散るもとに
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今日は毎年恒例お花見大会。


いや、毎年…というのは語弊があるかもしれない。
というのも、天狼組が行方を眩ましてからの7年間、ギルドに残された面々はこの行事を封印していた。
だってその少人数でばか騒ぎできるほど、各人子どもではなかったから…


だから今回は7年ぶりということもあり、ギルドのはしゃぎ様にさらに拍車が掛かる。



真昼間からビールジョッキを片手に、飲んで歌って踊ってのどんちゃん騒ぎ。








「あ、ナツてめっ、俺の卵焼き勝手に食うんじゃねぇよ!!」

「いいじゃねぇかぁ、ケチィのなグレイ」

「なっ!!別に、俺はあとでお前の可愛いタマゴ食わせてもら…グホッ!!」

「燃やされてぇのかてめぇ…」


「ああん!グレイ様を急に殴るなんて酷いですわナツさん!!」

「こらジュビア、2人は痴話喧嘩の真っ最中なんだから邪魔しちゃダメよ!!」


「ルーシィ……憎き恋仇!!また邪魔をしようったってそうはいきませんわ!!」

「ちょちょ、違うって……わぁーんグレイ!!この子なんとかしてよー」


「ん?わりぃな。今取り込み中なんだ。」


「え、ちょ!!堂々とキスしてイチャついてんじゃないわよ!てかさっきまで喧嘩してたんじゃなかったのぉ!!」


「ナツは酒が入るとキス魔になんだよ」


「ナ、ナナナツ兄ぃが……キキキス……。アルザックとビスカでさえ滅多に……しない…の…に……」

「ロメオ君、魂抜けてますよ……大丈夫ですか。」


「貴様ら!!せっかく花見に来ているというのに、気合いが足りんぞ!!もっと全身で桜の花びら1枚1枚を感じるんだ!!」


「エ、エルザさんはすごいやる気だね、シャルル」

「まぁ、いつも通りって感じね。」




「おいカナ。お前もう10樽以上飲んでんじゃねーか!!いい加減止めろよ」

「あ゛あん!?なんだいマカオ。アタシと飲み比べしたいってかい?しかたないねぇ、付き合ってやるよ」

「は、話聞いてたぁ!?」



「レビィ〜ガジルばっかじゃなくてオレらもかまってくれよお〜」

「べべ、別に、ガジルなんて全然きょーみ無いし!!」

「ああ゛!?一緒に花見したいって誘ったのはてめぇの方だろーが!」

「「え゛ぇぇー!レビィがぁ!!!」」




「さくら吹雪〜の舞、……っよ……ほっ……あらよっこいしょ〜」

「ビジター……そのクネクネした動き止めろよ……気持ちわりぃぜ」




「我ら雷人衆。全力でラクサスをもてなすぞ!!まずはお酌だ。」

「………っておいフリード、酒こぼしてんじゃねーか!!」

「す、すまない。ラクサスに酌をするなんて…グスッ……感極まって震えが……ズズッ……」

「………」

「おーい。ラクサス完全に引いてるぞ…」








「はいはーい、みんな聞いて。今から恒例ビンゴ大会をするわよ。カードを配るからそれぞれ1枚ずつ受け取ってね。」


「お、ビンゴきたぁ!!1等目指してがんばるぞぉー燃えてきたぁ!!」

「頑張るったって運じゃねーか。しかもどうせまた、1等はろくでもねーもんだろ…」


「恋仇……ルーシィよりも早くビンゴを…」

「ひぃぃ…まだ言ってるよ。もう勘弁してよぉ」

「お、ビンゴかい。酒のつまみにはちょうどいいねぇ。」

「まだ飲む気かよ!!」


「ビンゴあた〜るの舞〜。ほっ……ほいっ…」

「……………」


「みんなカードもらったわね。じゃあ始めるわよ♪最初の数字は………」





ーーーー
ーーー
ーー





「ビンゴ!」

「あ、ナツ?」

「あらあら、今年はナツが一番乗りね。ふふ」

「よっしゃー!!で、一等での景品ってなんだ!?」


「それはね……これよ。」


「…え゛………………う、うそ…だろ」


「可愛いでしょ♪猫のコスチュームよ。
ちなみにこれは、週刊ソーサラーに罰ゲームとして記事になった時にナツが身に付けたものよ。まさか本人のもとに渡るなんて、面白いわね!」


「お……おお面白いわけあるかぁーーっ!!いらっねーよこんなん!!寧ろもらってどうする…」

「じゃあ俺がもらうとするか」


「え…………グ、グレィ……おまえ……そ、そういう趣味があったのかぁ…」


「ちげーよバカ!!またナツに着せて、あんなことやこんなことするために決まってんだろーが!」

「な゛っ、誰がするかぁーーっ!こんなもん今すぐ燃やしたらぁ」


「ばか、やめろ!!いくらナツでも、そんな貴重な品燃やすとか許さねぇぞ!」


「んだとゴラァ!!ヤんのか変態グレイ!!ふぬぬぬぬ………」




「………はぁ、結局こうなるのね。」





あちらこちらで絶えない笑い声。
………と叫び声。


呆れるほどに騒々しい。

騒々しい……
けれどこれこそが、妖精の尻尾の本当の姿。


天狼組以外のメンバーは、空白の7年のうちに心に空いた空洞を埋めるかのように笑い続けた。



7年という月日は、深く根を張り、他のどの木よりもいっそう枝を展延させた一本桜にしてみれば数瞬の出来事だったのかもしれない。

けれど満開に花を開いたその木は、その笑顔を再び見ることができたことを喜んでいるかのよう…



彼らの頭上を舞い散る桜は、彼らの心に7年振りの平安をもたらした。

暗い過去も
深い悲しみも
日々流し続けた涙も
それらを全て浄化するその桜は、

「おかえり」

そう祝福するかのように、ただただ美しい花びらをはらりと空中へ散らせていた。





      【END】






なんかこう……ほのぼのとしたフェアリーテイルが書きたかったんです。

そしたら会話文だらけで何がなんやら(笑)
どのセリフが誰のものか分からなかったらごめんなさい〜orz


それより、そんなことよりも!
今日でアニメも一旦終了ですね(T^T)

語り出すと長いんで、日記の方に書きますが、最終話見終わった後の空虚感で胸が痛いぃ(ノ_<。)

とりあえず3年半フェアリーテイルアニメお疲れさまでした!!
(花見全然関係ないけど!!)


次ページはグレナツ花見駄文(キス止まり)です。
読みたい方だけどうぞ。
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