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□first valentine
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今日はバレンタインデー。
俺とナツが付き合い始めて、最初のバレンタインデーだ。


朝っぱらから、うきうきるんるんの気分でシャワーを浴びて、ギルドへと向かう。
途中、そういえばパンツを穿いていないことに気づいて引き返したが、いつもよりだいぶ早くにギルドに着いちまった。


ぐるりとギルド内を見渡しても、愛しの桜頭の姿はない。


大人しく席について頬杖を付きながら、
ナツ早くこないかなぁー。
と思っていると「グレイ〜!!」と俺を呼ぶ声。


ん?と視線を向けると、ギルドの入口に沢山の女子の集団があった。

「グレイ〜、私のチョコ受け取って〜!!」
「グレイ私のもー!!」
「やん、私のも〜」

口々に俺にチョコを貰え貰えと騒ぐ女子たち。
ああそうだ。俺って顔がいいからモテるんだった。

けど正直うっとうしい。
贈り物なんて、好きな相手からだけでいい。

まぁ、そう思いながらも、彼女達がせっかく俺へ手作りで作ってくれたんだ。
貰ってやるくらいいいだろう。

そう思いながら対応していると、そこへジュビアも入り込んできて、さらにめんどくさい。

そうして時刻はあっという間に正午を回ったのだが、ナツは全然来る気配がない。

おかしい……
本当なら、女性陣達の手作りチョコ、もちろん義理以外は俺が許さないが、それを貰って嬉しそうにしているはずのナツの姿がない。

俺は睨み合いをしているジュビアと女どもからこっそりと離れて、ナツの相棒ハッピーに問いた。

「なぁ、ナツはまだ来てないのか?」

「ナツならまだおうちにいるよ。
『お前は先にギルド行ってろ』
って今朝追い出されてきちゃったんだ。なんだか追い詰められてた感じするけど大丈夫かなぁナツ…」


ナツが、追い詰められてる!?
何に?

とりあえず居てもたってもいられなくなり、急いでギルドを飛び出す。

あのナツが、俺のナツが……

とりあえずナツを困らせるようなヤツは俺が殴り倒さなくちゃいけねぇ。そう意気込んでナツの元へと急ぐ。


町の外れにあるナツの家へとひたすらダッシュして、ようやく家に着いた頃にはいつの間にか上半身の服が無かったが、まぁいつものことだと開き直り、ナツの家の扉に向かって叫ぶ。

「ナツ!!大丈夫か!!何があったんだ。いや、何があってもお前は俺がいつでも守ってやるから安心しろ!!」

「はぁ!?グレイ何言ってんだお前。
そんなことより、俺は今忙しいんだよ!!俺の邪魔してくんじゃねぇ!!てか来んな!!帰れよ!!」


……………あれ?

愛の告白とまではいかないが、俺がナツを守る宣言をしたのに帰ってきたのは冷たい拒絶の言葉。


暫くその場で呆然と立ち尽くすと、はぁとため息を吐いてとぼとぼと来た道を引き返し、そのまま自宅へと直行した。


ナツに拒絶されただけで……こんなにも心にダメージが………せっかくのバレンタインなのに………


そのままベッドへダイブし、現実逃避するかのように眠りについた。



ーーーー
ーーー
ーー

「……ィ………レイ、……グレイ!!」

目の前にはナツの顔。

あれ、なんでナツがおれんちにいるんだ。

「ナツ、おまえどうして…」

「べ、別に、急にグレイの顔みたくなっただけだ//そしたら玄関の鍵が開いてたから……」

そっぽを向きながら、言い訳を取り繕おうと必死になっているナツ。
ほんと可愛い。

「俺もちょうど会いたかった、ナツ。」

ぎゅうっと抱き締めて囁いてやると、すぐに顔を赤くし俯いて、なかなかこちらを見ようとはしない。

そのままナツの尻を撫でてやると、ズボンのポケットに何か入ってるのに気がついた。

「ぁ、えと……今日はバレンタインだがら……」

そう言って、そのポケットからラッピングされた小包を取り出すと、俺に突き出す。

顔を真っ赤にしちゃって本当に可愛い。

「なぁーつ。さっき俺が家に行った時、ひょっとしてコレ作ってた?」

恥ずかしそうにしながらもこくりと頷くナツ。

なんだ。ナツを困らせるようなヤツは許さないって、言っときながら、肝心な自分がその張本人だったなんて。


少し形の歪なラッピングを見ると、自然と頬がだらしなく緩む。

「なぁ、ナツ。俺に食べさせて」

そう言うと、いつもなら恥ずかしそうにやだやだと拒否してくるはずのナツだが、今日は素直にうんと頷くと、ラッピングの中身を取り出した。


その中から、トリュフを1個つまみ上げると、そっと俺の口元へと運ぶ。
その手が僅かに震えていて、可愛いなぁと思いながら、トリュフが俺の口へと転がる。

そのまま離れて行くナツの腕を掴むと、その指先についているチョコレートパウダーを舐めてやる。

「あ、ちょ……グレイ//」

顔を真っ赤にしながら恥ずかしそうに身を捩るナツをそのまま押し倒して、キスをする。

「んぅ………はっ…ぁ……ぅ……ふ…」


俺の口に一旦は収まったトリュフも、ほとんど液体状となりナツの口の中へと移ってしまった。

「ナツ。おいしい?」

「…ぁ、あまぃ」

「じゃあもっと甘くして、とろとろに蕩けさせてやるよ」

「あぅ……ん…んぅ…」



その後、もちろんキスだけでは足りず、しっかりと身体を繋げ、2人の愛を再確認したのであった。
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