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□*お前だけ。
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使用されていない教室に山本を呼び出した。

「獄寺から呼び出してくれるなんて
なんだか嬉しいのな♪」

「んなことより!
さっきのは何だよ!」

「ん?さっきのって?」
「とぼけんじゃねぇ!
十代目と歩いてた時に…」
「ああ!やりすぎたとか何とか?」
へらへら笑ながら言う。

「ああいう時に言うんじゃねぇよ!」
「いいじゃねぇか。本当に心配したんだぜ?」

それに俺たち付き合ってんだし。

そう、はにかみながら言った。

「あのなぁ…。
俺はお前のそういうとこが嫌いだ!」

あ…。と小さく言った。
思ってもいないことを言って
しまった…と思ったが遅かった。


「それ、本気でいってんの?」
さっきのアホ面から一気に変わり
鋭い目付きで俺を見る。

「なぁ、獄寺「ああ、本気だ。」

なぜか、俺は思ってもないことを言ってしまう。

「そっか…。ははっ、嫌いか。」
山本の声が震えているように思たから
山本を見た。
すると、うっすら目尻に涙を浮かべていた。

「獄寺には普通の恋愛がいいだろうしな。
男同士なんて気持ち悪いよな」

そんなこと一度も思ったことねぇ。
山本と付き合えて嬉しかった。

「俺だけが好きって思ってたんだな。」

俺も好きだ。
好きで好きでたまらねぇ。

「それにえっちの時は
やめて欲しそうな顔だったしな」
それはただ、素直になれないだけなんだよ。
もっとして欲しいと思ってる。

「俺とあんま目も合わせないしな。」
それは顔が赤くなるから、見られたくないんだよ。

「俺が告白した時も
目も見ずに返事したもんな。」
内心めっちゃ嬉しかった。
ほんとに死んでしまうくらいに。

「それに付き合っていて、
俺のこと、好きすら言ってくれねぇもんな。」
俺は山本が好きで好きでたまらねぇ。
ただ、恥ずかしくて言えないだけだ。


心で思っていても山本届くはずもない。
山本は無理に笑ったような笑顔で言った。
ただ一言。


別れよう。



と…。
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