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□*お前だけ。
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ぴしゃっ


山本が閉めたドアの音が
やけに大きく響いた。


「はっ…嘘だろ…。
なんなんだよ…それ。」

別れたのか?
俺の意見も聞かずに?

なんだか急に泣きたくなった。
俺、山本以上に好きだったんだな。
こんなことで泣くなんて。

「…っ…やま…もとぉ…」
次々溢れ出てくる涙を
抑えることが出来なかった。

「山本…すきだ…
俺…山本が…っ…だから
別れるなんて言うなよぉ…!!」

「うん。別れねぇ」

一瞬、幻聴かと思ったが
後ろを振り返ると出て行ったはずの山本がいた。

「やまも…「獄寺ごめんな。
俺、獄寺と別れたくない。
というか、別れられねぇ」

そう言っておれを抱きしめた。
山本の香りが鼻にツンときた。
すっげぇ心地よくて
俺も山本に応えるように
手を後ろに回し抱きしめた。


「ごめんな。獄寺。
俺、本気で不安だったんだ。
おれの一方的な気持ちに無理に
応えたんじゃないかって…。
すっげぇ不安で…」

山本の不安そうな声が分かった。
俺は山本から離れた。

「獄寺…?」

そして、すっげぇ笑顔で言った。

「ばーか。不安になってんじゃねぇよ。
こうやって触れたりキスしたり
そんなことすんのは山本
お前だけなんだぜ?」

「獄寺…反則だぜその台詞。」

「ふんっ、わざとだよ」
「今のは獄寺が悪いのな。
俺、とまんねぇよ?」

そう言うと山本は俺に深くキスをした。
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