SAO-the after-6year-

□思いでに決着を
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白山 茜がキリトと出会ったのはSAOがデスゲームになった時、1人でいる時に声をかけてもらい一時期パーティをして3日位で解散した。
久しぶりに会社で会っても、和人は茜の事は覚えてなかった。
和人はその時デスゲームで会った女性と付き合い、リアルでも付
き合いをしていた。

だから、和人は茜の事は一切忘れてたということになる。

「あ〜ぁそれだけの人だったか…」
昼食をとるため会社の屋上に弁当を持ってきた茜、1人言を呟きながら食べていた。

昼食が終わる頃和人が茜の傍に寄ってきた。
「隣…いいかな?」
「いいわよ…どうしたの?」
ベンチに座りながら辛そうな顔をしていた。
「和人君最近…やつれてない?」
「仕事が忙しいからかな?」
「そうじゃないでしょ!病気でしょ?」
「分かるか?」
「分かるわよ…何の病気?」
「…脳腫瘍…」
「癌って…」
驚く茜の顔が変わるのを待つようなタイミングで、和人が淡々と話す。
「そう…じゃ直葉ちゃんにはどうしても言わないつもり?」
「スグは昔に辛い事もあったし、これ以上悲しい思いをさせたくないからな」
「このタイミングで話す事じゃないけど、SAOで私と会った事ある?」
「…デスゲームの時か?」
「そう」
「あ〜!?思いだした 確かリズの所に剣を新調しようかと行ったあの前の時期か?」
「思いだした?」
「3日間いたんだよな…覚えているよ」
「良かった…」
「忘れるかよ!あの頃の風景や情景が焼き付いてるよ」
ブーッ ブーッ ブーッ
和人の社内携帯がなっている
「はい…え〜…分かりました、14時ですね…行きます…では」
「部長?」
「締め切り日明日だからな、っていうかもう仕事終わったけど」
「土曜は暇?」
「部屋片付けないといけないからな…じゃ」
茜を屋上に残し階下におりてゆく

和人の仕事はIT関連の開発 設計を任されていて、CG設計部門でスパコンの小型の制作をしている。

2
朝方和人が車で会社に出掛ける時に直葉は朝食をとっていた、ちょっと急がしめに食べながらキッチンから出て行く。
「直葉ちゃん…今夜は何時くらいに帰って来るの?」
「19時くらいかな?行ってきまーす」
自宅を出て200メーターくらいのバス停に走って行く、直葉がバス停に着くと5分後にバスが来る。
郊外の乗るバス停で待つ人はまばらで、通勤と通学の高校生くらいがいるが直葉のような大学生は乗って来ないようだ。
バスに乗り目的地のT大学前のバス停まで30分かかり、1人イヤホンを付けて音楽を聴きながら暇を潰すのが日課だった。

T大学前のバス停に着いて直葉はバスを降りる、少し歩くと大学が見えてきて通学する人が増えた。
校門から中に入りキャンパスが続き、男女が入り乱れている。
この大学に通う前の直葉は高校を中退し、大検の試験に受かりトップ成績で入学した。

講義が終わり昼食をとるため食堂に1人で行く、いつもは数人で食事するのだが1人で食べるしかなかった。
カウンターで食券を買いテーブルにパスタを載せ、ジュースを手に取り空いてる席に座る。
食べ始めて数分後真向かいにいつもの男が座った。
「直葉ちゃん♪ここいいかな?」
「…どうぞ」
直葉が1人になるとすぐ寄ってくる直葉の一年先輩3年の新井優である。
ポッチャリで油ギッシュのラグビーの選手なので、直葉は嫌がっている。
真向かいに座りながらカツ丼をクチャクチャしながら食べるので、直葉の方は美味しく食べられない。
「直葉ちゃんの高校はT高校なんだって?」
「そうですけど…何か?」
「俺の義妹もそこなんだよ」
「名前は?」
「新井萌恵」
「新井萌恵?…」
直葉の顔が険しくなった。
「どうしたの?」
「先輩!私より1つ下の剣道部にいた事ありませんでしたか?」
「…いたけど…」
「実は…」
高校時代の死に繋がるいじめに、萌恵の怨みがかった言動によって中退したある一部の事を優に告げた。
「…そんな…アイツがなんで?」
今度は優の方が箸を置き、直葉に語り始めた。
「アイツは小学生の時は剣道部の主将で、明るいやつだったらしい…」
「らしいって」
「俺と萌恵は両親の連れ子どうしで、俺が中3萌恵が小6で住み始めた…だけど萌恵が中3になった頃荒れ始めてな…」
「…」
「両親が離婚して母親が男作って萌恵が高1の時だな」
新井が頭を下げる。
「義妹に代わってお詫びする、許してくれ!!」
「いいですよこんなところで」
暫く間があり。
「それで萌恵ちゃんは?」
「死んだよ…首吊りで高校卒業してすぐだったらしい、母親が萌恵の事邪魔になって無下にしたからかな?」
「そうなんですか…」
「今後直葉ちゃんの前に顔を出さないよ、悪かったね…じゃ」
直葉に背を向け帰っていった。
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