SAO-the after-6year-

□真実から未来へ
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季節は12月に入り街の中はクリスマスイルミネーションが輝いていた、家族連れとカップルがショーウインドウの中の品物に心を踊らせていた。

イブになる3週間後を控えた第1土曜の夜の寒い日に、茜が和人をマンションに呼び寄せた。
茜の部屋で和人といるのは慣れないせいか落ち着かない、キッチンからビールとお摘まみを持ってきて和人の横に座る。
「今日来てくれてありがとう…」
「初めてだね…ここに来るの、意外と緊張するな」
「ところで 直葉ちゃんとうまくいってる?」
「この間ケンカしてさ…数日間口を聞いてくれなかった…」
「どうして?」
「茜ちゃんと仲良くしてくれって」
「!今ちゃん付けで呼んだわね?どうしたの?」
「さん付けじゃよそよそしいからね」
「うれしい♪」
和人の肩にもたれる茜。
「茜ちゃんに聞くけど、直葉と最近遊んでるの?」
「先月2人きりで旅行しようと言ってきた位だもの…暇さえあればメールに電話と、カラオケも行ってるし」
「仲良しなんだな〜ところで茜ちゃんは、引っ越した先でどうだった?」
「どうって?」
「生活面なんか…」
「ん〜隣の町に引っ越して中学卒業までいて、SAOで和人君の高校行ったのよ」
「そうだ
ったんだよな…声をかけてくれれば良かったのに」
「だって気付いたのは卒業前だったから、あわただしくて無理だったし」
「俺の彼女は、知っていたわけ?
「明日奈さんでしょ?学校じゃ噂になってたからね」
「見られてたわけ?」
「よく見えるベンチでいちゃついていたでしょう?」
「ガチに見られてたか〜」
「さあ…飲んで♪」
半分くらいビールを飲みほす和人。
「ねぇ…直葉ちゃんとキスした?」
「いきなりなんだよ…」
「キスした?」
「するわけないし…」」
「私としてみる?」
「酔ってるね…茜ちゃん」
顔が真っ赤になり眼が虚ろになっていた。
「んー」
口を尖らしている茜。
「キスしたら…スグが怒るかも」
「今は直葉ちゃんなんか思いださないで」
「……」
茜が和人の首に腕をまわす。
「私本気よ」
「ごめん…その気にならないよ」
「言うと思った…でも私諦めないから」
いきなり和人の唇を奪う茜。
和人が茜を突き放す。
「ち…ちょっと!」
「ん〜ムニャムニャ…」
「寝ちゃったよ…」
和人にもたれて眠ってしまった、仕方がないので寝室まで茜を運んで行った。
「茜ちゃん…俺帰るからね」
シーツをかけて寝室から出ていく。

洗面所で口にルー
ジュがついてないか鏡を見て確認する。
「ついてないか…!」
急に吐き気があり嘔吐した飲み過ぎかと思ったが、コップ半分くらいで終わらせていた。
「脳腫瘍のほうか…」
少しずつ自分が壊れていく感じがしていた。

同日同夜
「ありがとうございました…」
スーパーでレジで働いている直葉の姿がそこにあった。
勤務場所は大学と自宅の中間にあり週4ペースで授業後に寄る、土曜の夜も働いている。
「桐ヶ谷さん!上がってください」
「はい!」
時間は21時になっていた。

ロッカーで着替えてタイムカードを押し外へ出る、バイクに乗るとき後ろから声がした。
「桐ヶ谷さん」
「松田さん」
スーパーの同じバイト仲間の松田祐司で直葉より5歳年上の先輩だ、同じ時期に入社した人で良く会話する同僚でもある。
「桐ヶ谷さん明日暇かな?」
「用事はないけど…」
「ドライブでもいかないか?」
「…ドライブ?…行ってもいいけど…」
「じゃ明日の朝9時に桐ヶ谷さんの家に寄るから…良いね?」
「分かったわ…」
「それじゃお疲れさま」
直葉も年頃で明るい性格か男性から良く声がかかる、悪い気持ちはないが松田自身の顔がどことなく兄の和人に似ている為にどことなく安らぎ
を覚える。

和人が自宅に着きそのまま自分の部屋に行く、ペットボトルを飲みながらベッドに倒れる。
疲労度が月を重ねて増えてる感じがしていた。
「参ったな…薬も効かなくなり初めているな」
和人がぐったりとしている時外でバイクの音が聞こえてきた、直葉が帰ってきたようだ。

「ただいまー」
「お帰りなさい…ちょっとリビングに来てくれる?」
「なんなの?」
「いいから…和人君下りてきて」
怪訝な顔してリビングに行く直葉。
母親から呼ばれた和人はゆっくり下りてきた。

リビングに行くと両親が真剣な顔して座っていた。
「そこに座って…」
「なんだい…母さん…」
「これから言うことはすべて事実だから、ちゃんと聞いてね」
「……」
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