短編ONEPIECE

□義手
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そこで頭は息を吐いて、すこし冷静になるとトラファルガーに言った。




「こいつは俺がいろいろと世話になった女だ」


「プラスα将来キッドの嫁になるに違いない」


「うっせぇぞキラー!」


「まぁ、とりあえずこれ以上の検索はしないほうが身の為だ。

それとキッド、レティが今にも失神しそうだ」




キラーが忠告をすると頭は慌てて振り向いた。




「何!?くそ、トラファルガーの視線が鋭すぎたか…

レティ、いったん船に戻るぞ」


「そ、そうしたいのは山々なんですが、その、あの足がー…あの、動かないといいますか

なんといいますか…ど、どうぞお先に戻ってらっしゃってください!」


「それじゃ意味ねぇだろ、おら行くぞ」


「きゃうぅっ」




頭は少し強引にレティを抱き上げると、船に戻っていった。


さっき会釈をした向こうのクルーが、そそそーっと俺に寄ってきて、小声で尋ねた。




「で結局、あの義手ってなんなの?」


「ああ、あれね。トラファルガーには秘密だぞ」


「お、おう…」



「あれ…レティが頭のために作ってくれた義手なんだ」




キャスケットの彼は、呆然と歩いていくキッドの頭の背中を見つめて「なるほど、ね…」と言った。




「や、やっぱり歩けますよぅ!」


「嘘こけ無理にきまってんだろ。おとなしくしとけ」


「うっ…ご、ご迷惑おかします…」


「ッハ、気にすんな」




そんな会話がだんだんと小さくなりながら聞こえてくる。


ああ、ほほえましい…。




「リア充爆発しろ……」




ぼそっ。




トラファルガーの小さなつぶやきを、俺はちゃっかり聞いていた。







――君のくれた左手だから――









後書き
私も頭のコートに入りたいよおおぉぉぉおおお!

少し長くなりますがあとでこの義手を手に入れたときのお話もあっぷします!
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