長編進撃
□第5話
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「エレン隣良いかな?」
「お、レティじゃねぇか!俺は別にかまわねぇけど」
あの日から数日間、私はエレンの隣で食事をするようになった。
あきらめがつかないから悲しいのだ。
ジャンとミカサがくっついてくれれば諦めるしかなくなるし、だったらエレンの気を引いてミカサをフリーにしてしまおうという作戦だ。
それなのに、ジャンはこういうときに限ってミカサが一人な事に気がつかない。
なんでだろうね、神様は私を苦しめたいのかな?
まぁ人間に味方する神様なんて居るわけ無いよね。
居るならもうとっくに巨人は駆逐されてるはずだし。
「なんだか最近はレティとメシ食うこと多い気がするな」
「めっ、迷惑だったかな?」
「いや、今までゆっくり話すこととかあんまりなかったから楽しいよ」
そりゃあそうだ、だって今まではエレンと仲の悪いジャンと一緒のことが多かったんだし。
でも話してみるとエレンは天然なところもあってそれなりに楽しかった。
でもやっぱり、ジャンやマルコといるときの方が――
そのとき、遠くに座っているはずのジャンと、ばちっと目があって私はびっくりした。
ジャンは不機嫌そうな顔をしていた。
私は突然のことに驚いたので、すぐに目をそらした。
これだけ距離があれば目があった気がした、でごまかせるかと思って。
だけどエレンは天然なのに思ったより鋭いらしい。小声でこういってきた。
「お前…ジャンと何かあったのか?」
「えっ――」
「前はマルコと3人で居るところをよく見かけたからさ」
エレンのライトグリーンの瞳がまっすぐに私を見つめてきた。
私は、何も言えなかった。
エレンが顔をしかめて「お、おいそんな顔するなよ…」と困ったように言った。
私、今そんなにひどい顔してるのかな?
思わずため息をついたら、今度はライナーと目があった。
今日は良く人と目が合うと思っていたらライナーは慌てたようにこっちに向かってきた。