短編GIANTKILLING
□大切なもの
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「つかテメェ、オレに一番に電話かけなかっただろ!」
「えぇえ!怒るのそこ!?」
「ったりめーだ!いつも頼れっつってんだろ」
「だって今日試合だったんだもん…政志コールリーダーだし…」
「サポはいっぱいいんだ!
一回分くらいオレがいなくても代わりがいる。
けどお前の彼氏に変わりはいねぇだろ?
ってか居たらそいつぶっ殺すけどな」
「や、やめて怖いわ真面目に!」
「まぁいい、とにかく病院いくぞ!」
私はだっこされたまま友人から荷物を受け取ってお礼を言った。
しかも体育館を出れば好奇の視線が…!
まぁ私彼氏いるなんて言ったこと無かったし。
恥ずかしくなって胸に抱いた荷物と政志の胸に顔を向けて隠れてみようとしたけど、多分知り合いだったら私だって分かるよね…。
好奇の視線を浴びて政志はあろう事かにやっと笑った。
「良い機会だ、もう一周して見せつけてやろうか」
「や、やめて本当に!」
「嘘だから暴れんな!」
怒られて暴れるのを止めると、政志は私を抱く手に力を込めて小走りになった。
大学を無事に出て、政志の車に乗せられた。
相変わらず膝はじんじん痛む。
「政志」
隣の運転席に乗り込んだ政志は「痛いか?」と心配そうにのぞき込んでくる。
「それもそうだけど、そうじゃなくて…来てくれてありがとう」
「ったりめぇだろ。もうバカみてぇな事いってんじゃねぇぞ。お
前はETUより弱いからな」
「なによそれー」
唇を尖らせて不服そうに言ってやったら、政志は私に軽く口付けた。
やだ、今私不細工だったのに…!
「次は…オレに最初に電話しろ、いいな?」
「うん、最初に電話する。政志に」
「よし。じゃあ行くぞ」
車は発進した。
大切なもの
後書き
羽田さんは彼女を大切にしそうなので…