短編進撃andキルラキル

□人間らしく
1ページ/5ページ

※甘い要素はなく、だいぶシリアスです




「なぁ、マルコ」





そう言った彼の声は震えていたし、きっと目は潤んでいたに違いない。




「もうどれがお前の骨か分からなくなったよ」




彼が青い顔をして、マルコの死を告げたのはまだ記憶に新しい。

そのときから数えても、ジャンは何度も顔をゆがめていた。

涙も浮かべた。


けど、決して泣かなかった。



「ジャン……」

「おい、カヤ。どうするか決めたか?」



ジャンは拳を強く握りしめて、何かを見たように顔を上げた。



「っ……」

「俺は決めたぞっ…、俺は…」

「ジャン…」

「俺は…調査兵団になるっ…!」




こんな地獄だと分かってれば兵士になんてならなかった。



あえて行く必要はない。

むしろ、憲兵団になるためにここまでがんばった。

その結果6位になって、ジャンはあんなによろこんでいたじゃないか。


だけど今、どうすべきか。


ジャンはきっと分かっている。

誰より人間らしくて、私たちが心の中で押しとどめることを

いつも代弁してくれるジャンが、調査兵団に入ると言った。



だから、私もいい加減覚悟を決めなくてはならない。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ