短編進撃andキルラキル

□私とあのこ
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「おはようございますがまごうり先輩!」

「む、良き挨拶だ満艦飾!しかし俺の名はがまごうりではなくがまごおりだ!」

「はい!了解しましたがまごおり先輩!」


今日もまた、いつもの光景を目の当たりにして、私は立ち止まった。

蟇郡先輩と、満艦飾マコちゃん。

大きいのと小さいのが、なぜか逆にちょうど良い身長差に見えて、すごくお似合いな二人だ。

きっと二人にそんな気は無いだろうけれど、私は今それに嫉妬している。

古典の時間にやった物語を、ふと思い出した。

帝が身分の低い女を寵愛して、周りにひがまれてしまう話。

彼女をひがむのは同じ位の女達で、自分と彼女の何が違うのか分からずに、彼女に嫌がらせをするのだ。

私は今、その物語の周りの女達と同じだ。

まぁ、嫌がらせなんてしないし、マコちゃんは嫌がらせされても気がつかなそうだけど。

マコちゃんも私も同じ無星なのになぁ。

なんで私にはチャンスが来ないのかな。

本当は理由なんて分かってるけれど。

嫉妬を別の感情で吹き飛ばそうと、いつもは恥ずかしくて走り抜けちゃう門を歩いて通ってみる。


「…おはようございます…」

「む、声が小さいぞ!」


私の小さいあいさつに気が付いた蟇郡先輩にびしっと注意をされて肩がびくっとはねた。

もしマコちゃんがこんな声で挨拶したら、「どうした満艦飾!声がちいさぁああい!」って言うんだろうな。

いいなぁ、名前覚えてもらえて。


「…すみません」

「貴様は二年の紺野カヤだったな!明日からは心して挨拶するように!」


……え?


「返事はしっかりだぞ!」

「っは、はい!」

「む、しっかり出せるではないか!」

おかしいな。

いつも勇気がなくて門を走り抜けていくのに。

先輩の記憶力は万能型らしい。


「時に紺野カヤよ」

「はい…?」

「貴様はいつも門を走り抜けていくが…」


驚いた。

まさかそんな事も覚えているだなんて。


「そ、その…俺が怖いか?」

「え…!?そそそ、そんな滅相もない!」

「そ、そうか。ならば明日からはこの蟇郡苛にしっかり挨拶していくこと!」

「は、はい心がけます!」


私は大声で返事をして、門の前から走り去った。


大変、心臓が飛び出そうだ。



大きな声で!
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がまごーり先輩に校門であいさつしてみたいですねぇ。ちなみに一応言っておきますが私は苛マコ押しです!

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