短編レジェンズ&FS
□千年越しの愛を歌うよ
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風のサーガに妙な質問されてからというものの、俺は自分の以前のサーガのことが気になって仕方なくなった。
自分が何かを忘れているという違和感は解けたが、
今度は以前のサーガがどういう人物だったのか気になりだしたのだ。
そして妙に、胸がザワつくようのなった。
それも一定の場所を通るときだけ。
そんな落ち着かない中、いつものように送り込まれたレジェンズの相手をしていると、
偶然少女がその場に鉢合わせた。
少女は俺たちを見て驚いたような顔をしてから、座り込んだ。
まぁ無理もねぇ。
怪物が目の前で暴れてるんだからな。
敵のレジェンズはその少女に気がついてはいないようだったが、
なかなか俺にダメージを与えられないことにいらついたのかあたりかまわず攻撃を仕掛けてきた。
奴は口から火の玉を吐き散らした。
それが、少女の元にも向かっていた。
――シロン!助けて!
誰だかしらねぇが、そんな声が聞こえた気がして俺は無意識のうちにその少女の元へ滑り込んで、
反一発のところで火の玉から庇った。
それからは、早かった。
俺の技で敵を蹴散らして、奴はあっけなく逃げていった。
風のサーガが「おーいお前、だいじょぶかー?」と不抜けた声で声を掛けていた。
俺は振り向いて自分が助けた少女を見た。
少女と俺の目が、合った。