短編レジェンズ&FS

□千年後に持ち越そう
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どうしてかな。本当に意味がわからんのだけども。

まただ。

またこんな事になってしまった…

またレジェンズウォー終了後に目覚めてしまったーーーー!!!


私はウンディーネのカヤ。

何千年も前からウインドラゴンのシロンさんに恋をしている。

なのに…なのに私が目覚めるのはいつだってレジェンズウォーが終わってから!

あるいはレジェンズウォーの始まる直前!
今回もそうだった。

本当はシロンさんとお話ししたりしたいのに…

私はよくまわりからマイペースだといわれるけれど復活には私の意志なんて関係ない。

今もほら、もうさっき出てきたばかりなのに体が透けてきた。

あ、アンナちゃんが男の子を話している。

アンナちゃんとはいい友達だ。あの男の子はー…だれだろう…


「だれだ…?」

「お前こそ誰だ?」

「へ?…ふっきゃあ!!」

「お、おい大丈夫か…?」


後ろから声を掛けられて振り向くと、そこにはまさかのあこがれのシロンさんが居た。


「し、シロンさん!」

「あ?知り合いだったか?」

「いえ、めめめ滅相もない!一方的に知ってるだけです!

私さっき目覚めたばかりでよく分かりませんけどもう消えるところですよね…?」

「ああ。お前さっき目覚めたなんてとんだ災難だったな」

「そうなんです、いつもそうなんです。あの、シロンさん」

「あ?」


ああ、だめだもう体が透けて今にもきえちゃいそう…

次はもしかしたら出会えないかも知れない。だからいわなきゃ!

失敗してももう千年はあうこともないわけだし――!

「シロンさん好きです!次はもっと早く出会いましょうね!さよなら!」


「え、ちょ――…。…いっちまった、な」


シロンは、少し照れくさそうに頬をかいて、カヤの消えたあたりを漂う光の粒に向かってつぶやいた。


「そうだな、俺もちょっと、出会いたくなった」


そして、自分のサーガに向き直った。



千年後にもちこそう――




後書き
だいぶ短いけれど、こんな話もアリかなぁなんて。

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