短編ONEPIECE
□バレンタイン
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あなたには、好きな人がいますか?
今日はバレンタイン。
どんな緊急事態よりも、誰の誕生日よりも一年で一番張り切る、そんな日。
今日は甲板で遊ぶみんなにチョコを作ろうと思っている。
サンジ君がいっしょに手伝ってくれると言ったけど
わたしが一人で作るといって押し出し、ナミやロビンとともにチョコを作ることにした。
「レティ、うまいじゃないの。それならルフィも喜ぶわよ!」
「ちょ、あんま大きい声で言わないで!」
あわててナミの口をふさぐ。
ロビンが隣で苦笑していた。
わたしはこの船でブルックといっしょに音楽家をしている。
去年はルフィに歌をプレゼントした。
が、なぜかルフィにはうまく伝わらなかった。
船に乗ったときからルフィが好きで、ルフィのために愛の歌なんて、ちょっと恥ずかしい物を作った。感想はこう。
「おまえやっぱ歌うめぇな!ありがとな、シシシっ。」
…。
ルフィらしいけど、わたしがルフィのこと好きだって言うのは伝わらなかったらしい。
だから今年は、どうせ気づいてもらえないのなら彼の一番喜ぶ物にしようと思ったのだ。
ついでに当たり前ながらクルーのみんなはわたしのこの気持ちを知っている。
「できたー!」
今夜のバレンタインパーティはどうなるのかな?
まるで人ごとのように考えて、小さく笑っ
た。