短編ONEPIECE

□白い紙にのせた想い
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 それは何とも奇妙な話だ。

大海賊時代のルーキーの一人であるユースタス・キッドは女を抱かない。

それどころか触れることすらない。

海賊が誰しも女をも求めているというのは勝手な想像にすぎないのであろうし、
キッドも女を求めていないわけではない。

むしろ長い間求め続けていた。

ただ、その求める女というのはたった一人に限定されていた。

ほかの海賊が聞けば馬鹿な、と思うであろうがキッド海賊団のなかで、
それは当たり前のことで、むしろ船に女を連れてくるな、
というのはこの船の暗黙の了解となっていた。

 キッドの日常は朝、起床し、クルーに指示を出し、自分はゆっくりとキラーと話しながら朝食をとる。
後は昼寝をしたり、武器の手入れをしたり、訓練をしたりなど、
いくつかのパターンはあったが特に決まりはなく、気ままに過ごす。

ただ一つだけ、毎日欠かさないことがある。

それはたとえ戦闘中であっても、どんな状況であっても実行されることだった。


6時30分からの一分間、一枚の紙切れを見つめること…。
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