短編ONEPIECE
□二人が出会った物語
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※「義手」の続編で、ヒート目線
酒場で酒を飲みながら、俺は数ヶ月前の事を思い出していた。
ビッグマム傘下の海賊とやり合ったとき、あれはまさに地獄だったと俺は思っている。
俺たちにしてはあまりに余裕が無くて、そしてあまりに悲惨で衝撃的だったのだ。
頭は、左腕を失った。
失明は免れたものの、俺たちは頭が治療を受けている間気が気でなかった。
いくら頭といえど、五体のうち一体を失ったのだ。
何事もなくすむはずもない。
腕は消滅しちまったし、俺たちは仕方なくしばらく逃げ付いた先の島で生活を送ることになった。
戦闘を行ったのは新世界のど真ん中だった。
ただ行き着いた島は、新世界とは思えないような…
それこそ俺たちの出身サウスブルーのような、暖かい気候の島で島の住人も平和そうに暮らしていた。
島の住人は新世界の真ん中から逃げ込んでくる海賊には慣れていたようですぐに宿も医務室も貸してくれた。
俺たちがまさかこんな島に逃げ込むことになるとは正直悔しくてたまらねぇが、
今は何よりもキッドの頭のことが心配だ。
一瞬意識を取り戻した頭もログがたまればすぐに出航すると言ったが全員がそれに反対した。
頭の機嫌は最悪だったが、珍しく俺たちに当たることはしなかった。