短編GIANTKILLING

□サポと持田と時々ワン公
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※持田→カヤの順で同時に語っています。



その日は驚くほど、イライラしていて。



 その日の彼は驚くほどイライラしていて。



プレーはいつも以上に荒々しく、カードまでうけた。



 いつも以上に激しいプレーで、冷静になれていないのか、
  いつものようにうまくかわせずカードをもらって、
 もっと機嫌が悪くなったのはゴール裏からでもよく分かる。




そんな中で、あろう事か何かがぶつかって来やがった。



 そんな中で、あろう事かどこからか走ってきた野良犬が、ピッチの中に走っていった。



しかもゴール前で、俺は倒されてホイッスルが鳴った。



 私はすぐに思い出した。
 海外で外国人選手が迷い込んだ犬を蹴ったか何かでクラブと契約を切ることになたって言う話を。
 私はコールリーダーの制止の声も聞かずに動き出していた。




犬だった。
その犬のせいでホイッスルが吹かれて、俺のチャンスが一気にくずれっちまった。
相手がなんなのかよくよく考える暇もなく、俺は衝動的に足を振り上げていた。



 私は、いろいろな人が止まれと叫ぶ中、ゴール裏の低い座席をまたいで走った。




すると今度は、さっきよりもでかい衝撃に俺は倒された。



 私は持田さんに向かって、飛び込んだ。



緑のユニフォームが目に入り、チームメイトが突き飛ばして止めようとしたのかと思った。
けど、目の前で座り込んでいるのは、レプユニを来た、サポーターの女だった。



 持田さんをこんな近くで見る事なんて滅多にないなんて、そんな感動に浸る場合ではなくて、飛び込んだ勢いで膝をすりむいたし、あまりに必死だったから足首も捻ってしまった。




なんで、女が……そう思っていると、審判やらチームメイトがぞろぞろやってきた。



いろいろな人が、私を見ている。どうしよう。
乱入した上に選手を突き飛ばしてしまった。
また海外の話になるけれど、以前ピッチに乱入したサポーターがスタジアムの  出入りを禁止されたと聞いた。
もし東京Vの試合を二度と見られなくなったら……




女は、自分のしでかしたことにようやく頭がついていったのか、だんだん顔を青くさせてすぐに立ち上がった。
だが足を捻ったのか、右足を付いてから声を上げてよろめいた。



捻った足首は思ったよりも痛かった。
けど、いいかな。持田さんがクラブ追放されるくらいだったら……

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