短編GIANTKILLING
□スカルズのズ
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「ねぇ政志」
「あ?なんだよ」
「…なんでもなーい」
「なんだお前…お、選手入ってくるぞ。いくぞお前らー!!」
今日で、政志と出会って10年目になる。
「俺たちが選手引っ張ってくぞ!いくぜー!ETU−!!」
政志がコールリーダーになってから、変わらないこの号令。
『E−T−U−!!』
そしてそれに続く声援、腹に響く太鼓の音。
大好き。
それがみんな、サポーターとして、大好き。
――選手はピッチアップを終了してください
いつものアナウンス。
立ち去る選手達。
「ねぇ、政志」
「だからなんだよ」
「スカルズのス、「スタンドで叫ぶ!」」
「は?」
「スカルズのカ、「勝ち点3の為に!」
スカルズのル、「累積カードには負けない!」
「スカルズのズ!ずー…ずるいやつはぶっ潰す……?」
「最後の明らかにおかしいぞ」
「うん。おかしいね」
でも、政志は笑ってくれるよ。