短編GIANTKILLING

□スカルズのズ
2ページ/3ページ




「おい、ずれてる」



そういって何気なく首に巻いたタオルマフラーをなおしてくれるところ。



「あ?お前マフラー変えたのか…よりによって10かよ」



そういって眉間にしわを寄せるところ。



「ちがうよ。王子の10じゃないんだ」



意味ありげに、ふっと笑うところ。




大好き。



それがみんな恋人として、大好き。




試合中、大声で叫んで喉がかれて、負けた選手に怒鳴り散らすところ。


キツイ言い方だけど、本当は選手やチームへの思いがたくさん詰まっている
の。

勝ったときにも崩さないその態度も、油断するなという警告。




「いいぜいいぜ!勝って勝ち点積み上げて、今年こそ良い結果残そうぜ!」




10年間、意味分からないくらい負けることもあったけど、

政志は、私たちは、スカルズはずっと選手達を信じてきた。


今も、これからもね。



試合が終わって選手が挨拶に来て、

それも終わってやっと座ったらどっと疲労感に襲われた。
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ