短編GIANTKILLING
□スカルズのズ
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「おい、ずれてる」
そういって何気なく首に巻いたタオルマフラーをなおしてくれるところ。
「あ?お前マフラー変えたのか…よりによって10かよ」
そういって眉間にしわを寄せるところ。
「ちがうよ。王子の10じゃないんだ」
意味ありげに、ふっと笑うところ。
大好き。
それがみんな恋人として、大好き。
試合中、大声で叫んで喉がかれて、負けた選手に怒鳴り散らすところ。
キツイ言い方だけど、本当は選手やチームへの思いがたくさん詰まっている
の。
勝ったときにも崩さないその態度も、油断するなという警告。
「いいぜいいぜ!勝って勝ち点積み上げて、今年こそ良い結果残そうぜ!」
10年間、意味分からないくらい負けることもあったけど、
政志は、私たちは、スカルズはずっと選手達を信じてきた。
今も、これからもね。
試合が終わって選手が挨拶に来て、
それも終わってやっと座ったらどっと疲労感に襲われた。