短編GIANTKILLING
□ゴール裏
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※注意書き長いですが必読です
@ETUの応援団はバックスタンドだった気がするのですが、多くのクラブの応援団はゴール裏にいるので今回はゴール裏設定です。
A普段ゴール裏で実際に観戦しているサポーターの皆様が不快にに感じる内容かも知れません。ですが私自身もゴール裏で応援しているサポーターの一人です。決してゴール裏を批判したいわけではないので、ご承諾ください。
B夢主の名字が彼氏の名前になります。そして羽田と絡むまでが長いです。
初めて彼氏が出来た。
前から少し格好良いなと思っていたこともあったし、なによりもうれしくて私は彼からの告白を受けた。
そしてそのつきあいは今週で1ヶ月目を迎える。
今日は休日で、私は彼と一緒に地元サッカーチームETUの観戦に行くことになっていた。
「ごめん紺野くん、待たせちゃったね」
待ち合わせのスタジアム前まで行くとレプリカユニフォームを着た紺野くんが待っていた。
すごく似合っているけれど、彼がユニフォームなのに私は私服着てておかしくないかな?
「全然、俺も今着たところなんだ!はいチケット」
「ありがとう、お金あとで渡すね」
「いいよそんくらい」
「えー、悪いよ。あ、じゃあドリンク代は私が出すね!」
そう話しながら入場口へ向かう。
紺野くんはいつも応援に着ているみたいで、機械にカードをかざして入場した。
私もチケットを渡して…あれ?このチケット…
「あ、あのすみません、ここってゴール裏ですか?」
「え?あ、はい。そうですよ。こちらはゴール裏の入場ゲートになります」
「そうですか…」
ゴール裏…ゴール裏って、私はサッカーのことよく分からないけれどコアなファンが集まる場所じゃなかたっけ?
私…はじめてなのにいいのかな?
「ね、ねぇ!私初めてなのにゴール裏なんて来て大丈夫なの!?」
「え?ああ、へーきへーき」
「でも最初はメインスタンドにするって言ってたのに…」
「ぜーったいこっちの方が楽しいって!それに俺がいるから大丈夫っしょ」
「う、うん…」
そうだよね、紺野君がいればきっと応援の仕方も分かるだろうし…。
少し安心した。だけどスタンドにはいると、その安心感は吹き飛んでしまった。
「試合前の声だしからしっかり行くぞ!」
たくさんのサポーターが雄叫びを上げて、私はびっくりしてしまった。
真ん中にいるサングラスをかけたお兄さんが掛け声をかけると、次の瞬間にそこは嵐の中みたいになった。
すごい声量で紺野くんが何かを言っているけれど全然聞こえない。私の安心感は一気に不信感へと変わってしまった。
ゴール裏…全然大丈夫じゃないよ!
人混みを避けてなんとか彼にくっついていって席に着くけれど、まわりは立って大声で応援している人ばかりで怖かった。
「ねぇ、紺野くん!」
「オーオオオー!ETU!」
「っ……」
しかも紺野くんは何も教えてくれないから私はどうしていいかわからなかった。
そもそも、私の周りに私服の人はほとんどいなくて、それだけでも浮いている気がして恥ずかしかった。
試合が始まるまでに覚えたかったけれど、すぐに試合は始まってしまった。