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□「もう一度」なんて言えない
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今日も俺はアヤノと帰った。


その帰り道の途中で、


「…ねぇ、シンタロー」


「何だよ」


「夢羅とシンタローって…付き合ってるんだよね…?」


アヤノが突然そんなことを言う。


「は、はぁっ⁉…いや、まぁそうだけど…」


恥ずかしくて明後日の方向を見る。


「…夢羅ときちんと話してるの?」


アヤノの声の調子がいつもと変わった。


緊張した空気になる。


「…あんまり話してない」


そういえば、会うどころか話すこともまともにしていなかった。


同じ学校で、同じ学年で、同じクラスなのに…


「ダメじゃん、いつも私と話してばっかでさ…」


アヤノが怒った顔をする。


「夢羅は彼女なんだから、さ…」


アヤノは、ほらっと言って俺の背中を押す。


「今日はここで、ね。ばいばい!」


アヤノは一瞬複雑そうな顔をしてから、そう言い残して走り去った。


遠くなる背中を見送り、再び歩き出す。


「…久しぶりに会うのも良いか」


そう思って足を速めた。
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