中編
□3
1ページ/2ページ
今日は休日というのに雨だ。
私は嬉しいよ。
だって、植物が喜んでるから。
私は今、先生に頼まれた物を作っている。
今日の夜、先生の友達の結婚祝いがあるみたいで花束を頼まれたんだ。呼び出されたのがそれだからビックリだよね。
私の家は花屋だから、当然私も手伝いとかやってて花束もつくれる。
カスミソウとユリの位置を直して……
『うん、出来た^^』
「すいません、」
『はい!』
わぁ、お客様。
気づかなかったよ。
お客様は、………不良だった。
赤い髪に右目が眼帯。
髪だけでも派手な色なのに、ちょっと怖い。
でも、優しそうな雰囲気をしていて怖い人ではないかも。
『えと、なんでしょうか?』
私の顔を見て目を見開いてる。
「え、あ、いや。何でもないです。」
用があったから話しかけたんじゃないの?
「じゃなくて、えっと…『誰かにプレゼントですか?』」
緊張気味なお客様をみて、微笑みながら聞いてみた。
笑顔で接したおかげか緊張が和らいだみたい。
「ああ」
『そうなんですか^^』
「俺の、初恋の人に」
初恋、かぁ。
『告白なさるんですか?』
「いんや、その子花が好きなんさ。だから、少しでも気を引こうってな。」
臆病なだけなんけどな。
って最後に呟いたお客様は、悲しい顔をしていた。
『いま、』
「…ん?」
『いま、お客様にピッタリなお花が入荷したばかりなんです。』
「……俺にか?」
『はい。それを、プレゼントにしてみてはいかがですか?』
微笑みながら問いかけると、お客様は綺麗な顔をして笑った。