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□初恋〜京マサ♀〜
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これはある晴れた日の俺の話。
その日は買い物の帰りだった。
兄さんが珍しく、ヨーグルトが食べたいと言い出したので、病院の近くのコンビニに寄った。
コンビニから出て道を歩いていたら、あいつとすれ違った。
すれ違ったとき、なんかの花の香りがして、あまりにいい香りだっだものだから、二度見してしまった。
そいつは雷門中の制服を着ている水色の髪の女の子で、……確か、名前は……
「……狩屋?」
…声に出てしまった。
当然、狩屋は振り返る。
「…あれ…剣城くん?」
狩屋は首を傾げて、尋ねる。
「…どうして、ここに?」
その狩屋の仕草に胸が高鳴る。
ードキッー
「あ、あぁ……俺の兄さん…近くの病院にいるから…」
俺はそう答えて、そこから見える病院の方を向く。
「っ………ごめん、言いにくいこと言わせちゃって……」
狩屋は俯きながらそう言った。
「…お兄さん、待たせてるんだよね、…早く行かないとっ!…じゃあねっ、剣城くんっ!」
笑顔でそう言うと、狩屋は走って行ってしまった。
そこに残ったのは、呆然として立っていた俺一人だけ。
そんな俺の鼓動は……ものすごく高鳴っていた……
もし、ここを誰かがとおったら聞こえてしまうんじゃないかってくらいに。
あぁ、そうか。
俺は恋をしたんだ。
その後手元のヨーグルトを思いだし、急ぎ足で病院に向かった。