星屑の煌めき

□船×嵐×仲間
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ごぉーーーー



耳をつんざく様な音、…嵐だ。
すでに船の中は、ほとんどが船酔いして潰れている。

平気な者は、数える程しかいないだろう。



(えーっと大丈夫なのは…
私とゴンと、金髪のお姉さんと、あのスーツの人かぁ…)



ゴンは乗客達に船酔いに効く薬草を配っている。


ーーーーーーー


それからしばらくして、二人は船のデッキで風にあたっていた。
もう空は晴天となっている。


そんな二人の真上で、鳥たちが何やら騒いでいる。


「ねぇリン」
『うん、分かってる……』


(もっと大きい、嵐が来る)
と、鳥たちは忠告しあっていた。


そこへ、タバコを空いながら歩いて来た船長が加わる。


「どうした、今頃船酔いか?」
「いや…」
『おじさん、もっと大きな嵐が来るよ』

リンがそう言うと、船長は一瞬驚いた様なそぶりを見せながら尋ねた。


「ほう?何故だ」
「風が湿気も多くて生ぬるいし…」
『何より、鳥たちが忠告し合ってるからね』


ガシッ


『小娘、鳥言語が分かるのか⁉』


船長は驚き、リンの肩を掴み言った。
それもそうだろう。普通の人間で鳥言語を理解出来る者はそうそういないからだ。


船長の剣幕に押されながらも、リンは答えた。

『あ、うん!
ゴンも分かるけどね』
「オレなんか、リンの足下にも及ばないよ」


「なるほどな…小娘!
嵐の到来時刻や規模を言え‼」
『え⁉
えーっと、到来時刻は三時間後。
規模はさっきの二倍くらい!!』
「分かった。お前らは早く船の中に戻っとけ!!!」
「はい!」


二人が船長に言われた通りに船の中に入ると、スピーカーからアナウンスが流れて来た。


「三時間後にさっきの二倍くらいの嵐に衝突する!
命が惜しいやつは、救命ボートで近くの島まで今すぐ引き返すこった!!」



ーーそのアナウンスを聞いた大勢のハンター志望者達は、大慌てで退散して行った。




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