magi
□素直。
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「・・・何が目的だ」
命乞いをしているわけではなさそうだ。
「俺と、旅をしないか」
「・・・っ!」
自分を雇ったところで何を得られるわけでもないのに。
むしろ、重荷になるんではないか。
「・・・年はいくつだ?」
年なんか忘れた。
どれ位生きていたかなんて、覚えていない。
「・・・分からない」
「そうか」
何で年なんか聞くんだよ。
どうだって良いだろ、そんなこと。
「で、どうなんだ?」
「・・・そんなムシの良い話あるわけないだろ」
報われるだなんて思っていない。
裏切られるに決まってるだろ。
「まだ子供だろ」
「・・・っ、馬鹿にすんな」
ナイフにもう一度力を入れる。
と、何故か分からないけど手が震えていた。
「子供なんかじゃ、ない・・・っ」
「ジャーファル」
さっき言った自分の名を。
彼は優しい声でそっと呟いた。