magi
□素直。
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「ジャーファル、珍しく機嫌がいいな」
シンが、部屋から出てきた私に声をかけてきた。
「ええまあ。・・・幼い頃の夢を見まして」
「そうか。あの頃のお前は何というか・・・素直じゃ無かったな」
そりゃあそうだ。捻くれてたし。
・・・今もですけど。
「・・・じゃあシン、キスして下さい」
「っ!」
シンは驚いていて目をコレでもかというほど見開いていた。
そして、シンの唇に自分の唇を押し当てた。
「随分と積極的だな」
「今日は機嫌が良いんですよ。・・・あと、シンが素直じゃないとか言ったので」
ただ表に出さないだけ。
本当はシンの事大好きですよ。
アンタが一番分かってるくせに。
「今日だけですから」
それだけ言うと、さっさとその場から離れた。
「うぅ・・・なんて恥ずかしいことを言ったんだ、自分・・・っ」
一人でしゃがみ込んで、さっきの自分のした恥ずかしいことを反省していた。