オリジナル

□君のとなりで。
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「おはよう」
 と、私は隣の席の、深風 隼人に挨拶をする。挨拶をするのが私には精一杯で顔が紅潮するのを防ぐのがやっとだった。そう、私、桜木 璃音は、隼人に恋をしている。サッカー部でエースの隼人は、顔は真ん中くらいだが、スポーツ万能な面でモテる。私には隣の席というだけで.....
と考えていると
「あぁ、おはよ」
と隼人は笑顔で挨拶を返してきた。それを見るだけで思わず火照る。顔が紅潮して思わずどこかを向いてしまう。ーやっぱり私って可愛くない奴だなぁ...ー
と心の片隅で考えているとチャイムが鳴る。古文の授業になった。先生が入室し、号令をして、席へつくと隼人が「わりぃ、教科書忘れたから見して?」
とこっちへ向かって言う。私は
「いいよ、」
といい、教科書を開いて机に置く。いつも以上に近いこの距離にやけに顔が火照て、それが隼人にバレてないかと気になって仕方ない。だけどこういうのが、私にとっての宝物。だって私は隣の席に居るということしか、ないのだから。
 数日後、席替えが行われ、隼人とは離れてしまった。もう何にも接点がなくなった

ーずっと君のこと、好きだった。

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