《4》

□別れの予感
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午後
皆が出航準備を始めた船へ行こうとつなぎに着替え城の廊下を歩いている、と…別荘から帰ってきたばかりのリンとばったり会った。





「いたいた!名無しさんさんッ…ちょっといいですか?」

「リン?あれ…今帰って来たの?」

「あの、実はこれを…ライルから預かってきたんですよ。」

見ると手に封筒を持っている。

「ん?手紙…?」

「はい。名無しさんさんはもうポルドを出たって私ライルに言ったんです。そしたら、何とかして絶対に渡してってその場でこれを書き出したから…何て書いてあるのか気になって気になって。読んでみて下さいッ。」

リンは肩を寄せ、封筒を開ける私の手を覗き込んだ。

「な、何だろね…」

恐る恐るその場で白い紙を開く。

そこには…

『名無しさんさんへ
初めて会った時から私、何か違和感あったんです。それでふと思い出して、帰ってからパパに聞いたんです。そしたら名無しさんさんが…海賊で懸賞首だったなんて!!』

リンと私は目をまん丸くして顔を見合わせた。

「「げッ!…バレたッ!?」」

『実は私のパパ、昔は賞金稼ぎやってたから、今でも手配書は常にチェックしてて。珍しい賞金首だって前に言ってたのが頭の片隅に残ってたから。』

「どどどどうしよぉぉ…!」

「おおお落ち着いて名無しさんさんッ…まだ続きが…」

「はッ…本当だ…!」

ぷるぷると震える手で重なっていた紙を捲る。

「「ごくり…」」

『あ、大丈夫ですよ〜。勿論パパには、名無しさんさんに会った事もポルドにいた事も言ってませんから。だけど今朝、名無しさんさんは死んだってパパに言われて。私、ビックリして急いで確かめようと会いに行ったんですけど…』

「「はぁぁぁ…!」」

『もう出航しちゃったなんて、残念です。だって私…』

「「ん…?」」

『小さい頃から女海賊に憧れてたんですッ!』

「「は…?」」

『それにそれに!ペンギンさんに恋しちゃったんですッ!だから私も一緒に海へ連れてって欲しかったのにぃぃ…!』

「「………」」

無言…でぺらり
3枚目の紙に進む

『もし次またポルドに来たら、絶対に絶対に絶対に…私を弟子にして下さいッ!そしてペンギンさんを紹介して下さいッ!宜しくお願いします!

追伸
昨日は私を庇ってくれて本当に、ありがとうございました。名無しさんさんの事、応援してますからだからどうか…無事でいて下さい。私を迎えに来てくれる日を楽しみにしてます。

追伸の追伸
因みに私、結構役に立つと思いますよ〜。うちのパパ、裏で武器商もしてますから、レアな物から最新鋭の物まで…武器の調達なら全てお任せ下さい!いつでも連絡待ってます!

愛を込めて…ライル』



「「………」」

読み終わった手紙を封筒にしまいリンと私は再び顔を見合わせた。

「な、何かライルって…」

「はい…」


「「逞しい…」」


出会いとは摩訶不思議。
新たな友に背中を押され、
私はまた…心が強くなれた。

























ありがとう
…また、会おうね
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