《4》

□端街の仁義
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「バンッ…」

私の口に銃を差し込む男がふざけた。





「おとなしくしとけ…殴られるより痛くないし、気持ちいよ?」

そいつは四つん這いで見上げる私の髪を愛おしげに撫でると

「犯される女の顔って…可っ愛いよなぁ…!」

銃を口から抜きベルトを解き始めた。

「ッ…!」

後ろからはラミレスが私の下着を下ろし始める。

「や…め、…」

もがこうとするがしかし

「アーンして…ほらッ…」

前の男が無理矢理頭を押さえ込んできた…その時










ドンッドンッ

ノック音が響く。

「「「「………」」」」

ドンッドンッ

ラミレス達は動きを止めた。

「誰かまだ来んのか…?」
「いや…呼んでねぇよ…」
「ドンドンうっせぇ…どーすんの?」

ドンッドンッ

「出なくていい、続けるぞ…おら、脱がしちまえ」

ラミレスが後ろから私を引き上げ膝を立たせると、前にいる男がポルドの衣装に手を掛けた。

ドンッドンッ

されるがままの私はしかしぼんやりと、扉を叩き続けるその気配に心を奪われていた。

ドンッドンッ

「……」

カチッ…

聴こえたのは
微かな金属音
すると、





ドンドンドンドンッ‼

「「「「……!」」」」





ドォーーーンッ‼‼

「「「「ぐっ…‼」」」」

物凄い爆音と共に扉が砕け散った。

「「「「な…‼」」」」

舞い上がる塵と煙の中に見えた人影は…










「ラミレスぅ…お前、出禁って言っただろがぁ…」


バズーカ砲を担いだ
厳つ過ぎる中年の…男。


「「「ドン・ジョンソンッ…!!」」」


男達はあんぐりと口を開ける。


誰…
私の口もポカンと開いた。


「いいかぁ?此処は俺の街だ…俺の顔に泥塗るようなクズを見過ごす訳にはいかねぇぞぉ?」

「何であんたが…わざわざ此処に来やがる…」

ラミレスは冷静にそう言うと私の髪を掴み自分に引き寄せた。

「国王直々に頼まれちまってなぁ。あの男はクソ野郎だが…まぁしょうがねぇ、断る理由が一つもねぇからよ…だからその姐さんを離せ」

「あ?何、言ってる…」

「その人はあいつが憧れる素敵な姐さんだぞ?そしてポルドの大事な客人だそうだ。お前…大変な人に手ぇ出しやがって、俺はもう怒っちゃったよぉ…」

「この女が、何だってんだッ…」

すると、ガチャリ!

「まぁ、お前は知らなくていい…死んで償えこの馬鹿がぁッ…!」

ドン・ジョンソンと呼ばれる厳つ過ぎる男は突然バズーカ砲をこちらに向けた。

「え…」

「おい!この女も死ぬぞッ!いいのかッ!」

ラミレスは私のこめかみに銃を突き付けたまましかし背後に回り込む。


「う、嘘…」


盾にされた私はゴクリと唾を飲んだ…





すると





「"ROOM"」

突然聞こえたあの呪文。
唸りと共に現れた青白いサークル。

「「「何だ、こりゃ…?!」」」

男達は訳も分からずただ立ち尽くす。

「……」

私はゆっくり目を閉じた…そして

「"シャンブルズ"」

…彼の腕の中へ





ドォーーーンッ‼‼

再び揺れた爆音に壁が吹き飛ぶ。

「「「マジかよッ!」」」

「逃げろッ!」

吹き抜けとなった壁からラミレス達は逃げ出した。が、


「おいコラ待て…?」

シャチだ

「また会うとはな…」

ペンギンさん

「懲りねぇ奴だ、ラミレス…」

スリ

「まったく困った悪ガキですね。」

ルジョル、さん…?


「てめぇらこの前の!スリ…どういう事だ、なんでお前がコイツらとッ…」

たじろぐラミレス達にスリは銃を翳したままこう言った。

「さっきドン・ジョンソンが言っただろ?お前らは知らなくていいんだよ…ほら、銃捨てろ…」

「「「「ぐっ…」」」」

彼らに囲まれたラミレス達は観念して銃を蹴り捨てた…ら、

「てめぇぇッ!名無しさんに何したぁぁッ!」

怒りの炎を纏ったシャチがラミレスに飛び掛った。

「ふぐぉッ…!!」

「何で名無しさんの顔から血が出てる…何で衣装がちょっと乱れてる…言えおらぁぁッ!全部ッ!言えッ!この雑魚ぉぉッ!」

「お、おい…アレ…」
「あのドクロ、見た事あるぞ…」
「こいつら…か、海賊だッ!」

バカスカと容赦無い制裁を下すシャチの背中で微笑むハートのマークを見た他の男達は逃げようと走り出した、が

「お待ちなさい…」

「「「ぶあッ…!」」」

ルジョルさんの華麗な回し蹴りによりすぐに退路を絶たれた。

「軽い気持ちで人の宝に手を出すと…命を落としますよ?」

「がぁッ!」
「ぐぅッ!」
「ごぉッ!」

その拳は恐ろしく…重かった。

あっという間にシャチがラミレスを、ルジョルさんが3人の男を片付けた。


「俺達、出る幕なかったな…」

「あぁ、残念だ。」


スリとペンギンさんは顔を見合わせると瓦礫の向こうでその様子を見ていた私達の元に歩を進めた。





「一旦、船へ…」

私を抱き上げしかし雑な感じで肩に担いだトラファルガー・ローはそこにいる全員に声を掛けた。

「ドン・ジョンソン、あんたも一緒に」

「オーライ!トラファルガー君!」

「名無しさん…」

そして脱力する私に

「は、はい…」

「お前は後で皆に土下座だ」

「いや、あの…」

「返事は…」

「はい…」


しょぼん…
ペンギンさんもシャチもスリもルジョルさんも、そして厳つ過ぎるドン・ジョンソンまでもがそんな私達の会話に肩を震わせ笑いを堪えていた。

























いや、だから…誰
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