*side*

□お前ならどうする
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*操舵室*

「ようペンギン、俺今日ここにいていいか。」

「おぉ、どうした。珍しいな。何かあったか。」

「お前、徹夜?」

「あぁ、昨日の夜からずっとここだ。」

「そうか……。」

「はぁ…あのなぁ、お前は何かあるとここに来る事は分かってんだ。早く話せ。どうせ名無しさんの事だろ?」

「いやぁ、さすがペンギン!だてに長い付き合いじゃねぇな。」

「アホか。お前が分かりやすいだけだ。」

「……」

「……」

「いや…それがよ、さっき…とんでもねぇ事聞いちまってよ…」

「何だ、名無しさんに男でも出来たか。」

「……」

「おいおい冗談だ。早く話せ。俺は仕事が山程あるんだ。」

「はっ、あながち冗談でもねぇ。昨日よ…夜に名無しさんがクルー達と作業場でポーカーやってたらしいんだわ。」

「ほう、珍しいな。」

「そんであいつら名無しさんにガンガン酒飲ませたらしいんだ。あ、もちろん首にグーパン入れといた。」

「それで?」

「んでよ、名無しさんめちゃめちゃ酔っ払ってたみたいでよ、フラフラで先帰ったらしいんだわ。」

「ああ。」

「そしたらよ、名無しさんがコックから借りた料理の本を作業場に忘れてったって、クルーが部屋に届けに行ったらしいんだ。」

「…料理の本ねぇ。あいつはなかなか勉強熱心だな。」

「だよな!名無しさんはちょっと頑張り過ぎだよなぁ!って、そうじゃなくてよっ!」

「いいから早く言え。」

「だーかーら!その後だ…。そいつが部屋行ったらよ、名無しさんが何か大声で喋ってたって。」

「ほぅ。」

「だからそいつ、名無しさん相当酔っ払ってると思って面白がって部屋覗いたって。」

「…で?」

「……そしたらよ……船長がいてよ……名無しさんとベッドで…キスしてたっ…てよ…」

「……それは……そうか……」

「俺は…もうダメだ、ペンギン。」

「おい、先に言っておくがお前、船長の所は行くなよ。」

「…あぁ。分かってる。」

「はぁぁ…まったくあの人は…」

「なぁ、ペンギンよぉ…お前ならどうする。」

「俺にそんな事聞くな。俺には関係ない。」

「分かってるよ…ただちょっと、聞いただけだ。」

「……」

「……」

「はぁ…そうだなもし、自分の女に手を出す奴がいたら…俺はそいつを、殺すな。」

「だよな…俺は今あの人を…ぶん殴りてぇ…」

「だがなシャチ、名無しさんはお前の女じゃない。お前が惚れてるだけだ。」

「あぁ、分かってる…」

「今回は…我慢しろ。お前が何かやらかして騒ぎを大きくする必要はない。」

「……」

「今日はここで寝てろ。飯も持って来てやるから。」

「あぁ。ペンギンよぉ…」

「何だ。」

「お前ってホンット、いい奴だよなぁぁぁぁぁ!!」

「馬鹿野郎、泣くな。」

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