*side*

□持つべきものは友
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*仲直り*

俺は今、長い闇のトンネルを抜けて、
小鳥が囀る高原にいる気分だ。

男が簡単に頭を下げるなって?
馬鹿を言っちゃあいけない。
このシャチという男にはプライドって言葉は必要ねぇんだ。

それは何故かって?
それは何故なら、俺は人前で平気で泣けるし、そして平気で人に縋りつける男だからだ。

名無しさんと会わない10日間は、俺にとってはインペルダウンよりも過酷な環境だった。
船の中はどこにいても、名無しさんとの思い出が蘇ったからだ。

俺の心が限界を超えた。
苦しくて1人じゃいられなくなった。
だからペンギンを呼んで話を聞いて貰ったんだ。

ペンギンは船長の言葉は気にするなと言ったが、そんな事言われたって今さら遅いとそう言ったら、思いっ切りケツに蹴り入れてきた。

そんで俺があの夜名無しさんにした事を事細かく説明すれば、今度は鳩尾に本気のグーパンを連打してきやがった。
あん時の俺は呼吸が5回止まったんだ。

けどペンギンのお陰で俺は名無しさんに謝る事が出来た。
そしてまた2人は仲良しになれたんだ。
持つべき物は友だよな。

俺はもう2度と、名無しさんを傷付ける様な事はしねぇ。
アイツの為なら、どんなに悶々としようが幾らでもガマンするぜぃ。

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