*side*
□雲になりたい
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*涙の日々*
誰か涙の止め方を教えてくれねぇか?
おれのこの瞳からよ、溢れて溢れて止まらねぇんだ。
それはまるでエニエスロビーにあると噂される海の滝の様に、底なしに流れ落ちそれはそれは驚倒な光景なんだ。
ペンギンは、男のくせにいつまでも泣くなって言うけどよ、悲しくて泣くのに男も女も関係ねぇよな?
ペンギンなんかいいんだ。
いつもシラっとしやがって。
その冷静さを少しは俺にも分けてくれってんだ。
名無しさんはよ、このままじゃ俺を傷付けるとか言ってよ。
じゃあ、今のこの俺は何なんだ?
これ以上の苦しみや悲しみはこのグランドラインには存在しねぇだろ?
でも俺は良ーく分かった。
誰に何を言われようと、名無しさんを好きな気持ちを変える事は出来ねぇんだ。
勿論名無しさんに言われてもだ。
あいつと一緒にいたい。
あいつにキスしたい。
あいつの青い空みたいな暖かい匂いが大好きなんだ。
なのにこんなに好きなのに叶わない想いってよ、自分だけじゃもうどうにも出来やしねぇよな。
あいつに何も求めない。
それなら一緒にいてくれるんだろうか?
それとも俺はあいつには不釣り合いな男なのか?
それじゃあこれはどうなんだ?
一クルーとしてでもいい。
ただ俺は名無しさんを好きでいたい。
それで一緒にまた笑えるんなら
一緒にいられないよりましじゃねぇか?
そう考えたら道が開けてきた。
そして俺は歩き出す。
あいつが空なら
俺は雲になりたい。