*

□我慢比べ
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女にも性欲はある
へたしたら身体の構造同様に
男よりも遥かに底無しだ

「ペンギン…今日ね、夜、部屋に行ってもいい?」

「あぁ…悪い、今夜は溜まってる海図を仕上げたいんだ。」

「そ、そっか…」

「フフ…また今度な。」

ちょいちょいと手招きをして彼を廊下に呼び出していた私の頭にポンと手を置いたペンギンは、軽くおでこに唇を当てるとすぐに踵を返して操舵室へ戻ってしまった

また、おあずけか…?

私達は付き合い出して間もないが、互いの気持ちが重なったその日に一度身体を重ねている

それが凄い…
気持ち良過ぎて、心地良過ぎて
私は第2ラウンドで…失神した

それからの私は即ち
彼を求めて三千海里

またしたい
また、欲しいよ

だけどペンギンはその一度きりで
私を抱いてくれなくなった

何故だろ…?
私、変だったのかな
何か失望させたのかな

欲望に悶々としながらも
心は不安で揺らぎまくっていた

「はぁぁぁ…」

フラれたその夜もなかなか寝付けずに彼を想いながら何度も寝返りを打つ

…コンコンコンッ

するとそこにノック音

ガチャリと扉を開ければ、珍しく帽子を被っていないペンギンが立っていた

「あ、あれ…海図、は?」

「それより名無しさんだ。」

「ひぁ…っ」

いきなりベッドに押し倒された

彼は私をシーツに沈めると躊躇なく服を剥ぎ取り身体中にリップ音を立てまくる

「な…んぁ…あっ、何…っ…」

何語を発しているのかは自分でもよく分からなかったが、とにかく軽い愛撫だけで私はメロメロに蕩けた

舌と爪で一通り可愛がられた後にチュプリ…既に潤う私のそこに指が2本、こね回す様に奥まで入り込んでくる

「やっ…ま、待っ、!て…っ…っ」

それだけで…イっちゃった

彼は震えて果てる私の顔を堪能しながらも、指を動かさずに締め付けが緩むのをただ待ってくれた

やっと焦点が定まってきた私に
すると彼はこう言ってきたんだ

「俺、好きな女を抱いたのはお前が初めてで、加減が分からなくて…」

「……」

「だから壊してしまいそうで恐くて…逃げてたんだ。」

一度キスを落とす

「でも物欲しそうな顔のお前を見るとやっぱり、我慢出来そうにない…」

「ペン、ギン…」

「壊しても…いいか?」

初めて見た、彼の切ない顔
それと同時に指が動き出した

今宵もまた彼に堕ちる





「うん…壊し、て…」

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