book♪(連載作品用)
□私の喧嘩はあなたには高すぎて買えない!!<オリジナル> 第一話
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ガチャ――ギイッ…
僕には嫌なほど似合わない豪華絢爛な扉を僕は慎重に開けた。
その時だった――…
ドガァン!! ガラガラガッシャーン!!
凄い爆音が突風と共に耳を突き抜けた。
いや、ちょっとこれはヤバい状況なんじゃないだろうか…。
だって、僕は今日からここ、神居邸で住み込みで働くんだから。
僕は依夜。
今日からここで住み込みで働くことになった執事。
邸内の人は大丈夫だろうか。
僕は誰もいなかったが「失礼します」と一応断りを入れてから無駄に広く長い廊下を走り続けた。
まず最初に目に入ったのは日当たりのいい部屋で少女が優雅に紅茶を啜っている姿だった。
少女は整った顔立ちをしており、思わず人目を惹いてしまうような不思議な力があった。
服装からしてお金には苦労していないことがわかった。
きっとこの少女が僕が今日からお仕えするお嬢様だろう。
だが、外まで聞こえるような爆音が邸内から聞こえるのに、少女―もといお嬢様はティータイムなどしていていいのだろうか。
ふと、お嬢様は僕の存在に気付いたのか、こちらに振り向き、口を開いた。