貴方にはほとほと愛想がつきました。
出て行かせて頂きます。
「そんなぁぁぁ!!
いかないでぇええぇ!」
近藤が涙でぐしゃぐしゃにした顔を向けるのは、平面の世界の美少女。
今大ブームを起こしている恋愛シュミレーションゲームのキャラクターだった。
「なんでこうもうまくいかないんだろう……選択肢も完璧だったろうに……」
「三回目の『どうして?』の選択は3番の『ドラ焼き』が正解なんじゃないですかねー」
「えー、その答えはちょっと危なおあぁああぁ!!!!!」
後ろから現れた人間に心底驚いた近藤は、後ずさりながらも画面を隠そうとした。
そのとき、
「私これクリアしちゃいましたよぉ。
ちーちゃんルートはマジで泣けますよ」
さらりと言われた思いがけない彼女の言葉に近藤の動きは停止した。
「え」
「なんですか…まさか女はゲームやっちゃいけないとでも?」
「いや、そーじゃなくて…」
口ごもる近藤を前に彼女は
「…軽蔑したりしますか?」
近藤が言いたかった事を言った。
「軽蔑なんて!いや、俺こそ……!」
「?なんで局長を軽蔑するんです?元々貴方そういう人じゃないですか」
「なんかちょっと酷いねそれ……」
「あー局長、みっちゃんルートですか。この子難しいですよー
お手伝いしましょうか?」
「え!えええっと、あ、いや、
ぜひ手伝ってください!」
「よっしゃ。じゃ、隣座りますよ」
「はははい!どどどうぞ!」
本命ルートのヒロインは
思いがけない所でフラグがたったようです。