うたぷり
□私…だけを…。
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あぁ…私は壊れてしまったんでしょうか?
それとも最初から壊れていたんでしょか…?
今では、そんな事はどうでも良いとさえ思えてしまう。
それは何故か?
今目の前には愛する人が居るからです…―――
―――――――
「さぁ、ご飯の時間ですよ」
私は暖かいスープとパンを用意しました流石の私でも少な過ぎると思ったんですが…彼は最近余り食べないのでこのぐらいの方が丁度良いんです。
「あ、っ…」
彼は私の姿を見つけると必死になって私の所に来ます。その姿が何とも可愛らしくてしょうがなくなってしまうんです。
「お待たせしました今日は一日オフだったので手作りパンですよ」
「あ、ありがとう……ござい…ます」
「はい、どう致しまして」
彼は、上手にご飯が食べれないので私が与えなくてはなりません。
「あんっ…」
「急がなくても誰も食べたりはしませんよ全く…可愛いですね“音也”は」
音也は既に皆さんから忘れられている存在…音也は昔はそれはそれは我儘で言う事を聞かない音也でしたが今では、ちゃんと言う事を聞いてくれる良い子になりました。
昔は勝手に出歩こうとしたり急に暴れたりで大変でした。
おかげで、音也の首には首輪を付けて繋ぎ止めたり言葉の手直しをして躾けました。
「今日も綺麗に食べれましたね」
「う…ん、ごち…そうさ……までした」
「今日は一日一緒に居られますから…何して遊びましょうか?」
「え、…」
音也は酷く驚いた顔をして居ました。
「あ、そう言えば…音也、聖川さんに何か言いましたか?」
「……⁉」
私は今日聖川さんに「一十木は何処に居る?」と聞かれたんです。驚きましたまさか、音也の事を聞いてくるとは私の計画は完璧な筈なのに…理由は実に簡単でした。音也が窓に向かって手紙を聖川さんに投げたそうなんです。
「実にイケナイ子ですね…?」
「ご…めんな………さい」
「今日は音也と遊ぶ予定でしたがそれは辞めてお仕置きと躾けのし直ししましょうか」
「い、嫌です…」
「音也が拒否をするとは…そこまで嫌なら今日の所は多めに見てあげます」
「その代わり…」
「⁇」
私はある事を思い付きました。
「音也の目を潰して仕舞いましょう」
「‼⁉」
「今日の様な事が二度と怒らないように目を見えなくするんですだから、貴方は私だけの声だけを聞けば良いんですから…私以外の声を聞かなくてすむように……‼」
私は、早速ハサミを持つと音也の所に行きました。
そして、……―――
―――グサッ
「あーーー‼‼‼‼‼‼い、痛いよ‼‼」
音也は、目を抑え叫んで居ました。
私はやっぱり壊れていました恐らく明日も壊れたままで私は二度と直る事はないでしょう
だから、私は今日も狂い続ける―――――。