腐話
□軟弱
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「コノネ、また明日な!」
「明日は課題忘れるんじゃないぞ〜」
「もう、分かってる!またね!」
同じクラスの友だちに別れを告げ、寮までの道を一人で歩いて帰る。
辺りは既に暗く、人もまったくいない。
「すっかり遅くなっちゃったなぁ」
ここまで遅くなってしまったのは、ある理由があった。
コノネが課題を忘れて先生にこっぴどく怒られた後、教室へ忘れ物を取りに行くと先程別れた友だちが二人話していたため、そこに加わって今までずっと話していたからである。
「ユーヤ、怒ってるよね…」
しっかり者のユーヤのことだ、一緒の部屋にいるコノネの帰りが遅いと必ず
「こんな遅くまで、不謹慎だろう」
と、怒るに違いない。
コノネはユーヤの不機嫌そうな顔を思い浮かべ身震いすると、小走りで寮へ向かった。
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