綴り
□沖田総司【繋いだ手】
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茹だる様な暑さの根源、真上に昇る陽に小さく睨み付け巡察から戻る。
そろそろ夏も終わりかけるというのに、京の暑さは未だ健在で心底嫌になる。
特に今日は祭りがあると言うだけあって、京の町もいつも以上に賑わっていた。
軽く汗を流し終えた僕の後ろから耳障りな声が聞こえる。
『なぁ、土方さんにはちゃんと許可もらうしよ。たまにはいいんじゃねえか?』
『そうだな、いっつも***は綱道さん探す以外は屯所に籠りっぱなしじゃねえか。たまには、な。』
『でも……』
『へーきだって。俺ら三人がついてんだぜ。』
『ま、平助はおまけみてえなもんだがな。』
『なっ、なんだよ、それ!』
ふうん……その会話の流れだと***ちゃんとお祭りに行く気でいるんだ?
この僕を差し置いて……ねえ。
『あ、総司じゃねえか。おーい、総司!』
前を歩く僕に気付いた平助が僕を呼び止める。
『何か用?僕は暑い最中巡察で疲れてるんだけど?』
『な、何だよ。声かけちゃ悪ぃかよ。』
『別に』
たった今頗る気分が悪くなったんだよね、君達のお陰でさ。