恋愛小説1

□鈍感な人
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コンコン

自室に戻ると菜月がやってきた。

「さくらさんっ大丈夫?」

「大丈夫。」

涙を見せないために我慢するけどやっぱり涙があふれてきて菜月は、何も言わず抱きしめる

チーフ出発の二日前牧野さん、蒼太、菜月が部屋に来た。

「さくらさん…本当にチーフを一人で活かせるつもりですか?」

蒼太の真剣な眼差しに私は、答える

「正直に申し上げれば、一緒に行きたいです。」

そう言うと三人は、してやったりといった表情を浮かべていた。

「さくらさんならそう言うと思ったよ。」

「もうすでに備品は、搬入していますよ。」

「チーフには、内緒でね。」


三人の優しさに感謝して身の回りの物をまとめる

チーフ出発当日私は、一足先にゴーゴーボイジャーに乗り込む

「明石さんと一緒。」

物思いにふけっていると外が騒がしくなって揺れた後また静かになった。

(そろそろかな。)

隠れていたところから出てコックピットに入るとチーフは、驚いたような表情を浮かべる


「さくらぁ!? お前、なんでこんなところにいるんだ!?」

「チーフ、いえ……明石、さん。私も……宇宙プレシャス探索に加えて下さい……お願いします!」

「あ……? 何言ってんだ? これは危険な任務だ! だからお前を連れて行くわけには……。」

チーフが言い終わるより先にミスターボイスが助け舟を出してくれた。

「まぁ〜ついて来ちゃったものは仕方ないよ。2人とも、仲良くね!」

「……戻るわけにもいかないな。」


私は嬉しくなって早速チーフの隣に座る

(もしかして明石さんも私の事…)

「しかし、さくらがそんなに宇宙プレシャスに興味あったとはなぁ……?」

「えぇっ!? 私が一緒に行きたいのはぁ……」

明石さんのあまりの鈍感ぶりについ本音が出そうになった。

「……?」

「……もういいです」

チーフの鈍感さには、呆れてしまったけど心の中でつぶやく


(絶対に明石さんに振り向いてもらえるようになろう。)

「これからも、よろしくお願いします!」


「どこまでも、行くぞ!!」


(当分先のような気がする。)


END
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