生物委員会委員長は苦労人

□09:伊賀崎
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【9.5:舞琴】
=番外編=

〜毒虫熟愛少年の段〜



―――これはまだ俺が四年生の頃の話。



『あれ?あの一年生、一人で何してるんだろ?』

「いつも一人で居ますね」



竹谷と生物委員の仕事をしていると、一人で居る生徒を見つけた。――そろそろ一年生も友達が出来ていても良い頃なんだけどな?

気になってしょうがない………。なんか、ほら。小動物が落ち込んでいるし!!



『俺気になるから話しかけて来る!!』

「あっ!?舞琴先輩!!そいつは―――」



近くに来て顔を覗き込むように一年生の前にしゃがみ込む。



「シャーーッ!!」

「だ、だれ」



驚いた。この一年生、毒蛇に毒蠍を連れてる。―――虫獣遁の使い手か。この歳で猛毒生物を扱えるなんて凄い事だ。是非生物委員会にほしい!!



『君、一年生で虫獣遁を使えるのかい?それも有毒生物なんて』

「ほ、放っておいて!!ぼくは所詮誰とも仲良くなんて慣れないし、ジュンコたちが居るから良いんです!!」

『この子ジュンコって言うの!?』



何て良い子なんだろう!!生物を大切にする誠心!!まさに生物委員会に持ってこいだ!!



「舞琴先輩。その一年生は毒虫野郎≠フ異名を持っていて、他の生徒は有毒生物を恐れて近づかないんですよ」

『あ、竹谷。遅かったね』


「舞琴先輩が放置して行った道具を片付けていたんです」

『そうか、ごめん。ありがと』



委員会の仕事を放置してたの忘れてた…………。



「なんなんですか!!ぼくの事なんて放っておいてよ!!」

「舞琴先輩どうします?」



どうするって?決まってんじゃん!!



『君、生物委員会に入りませんか?』

「「はあ?」」



ちょっと竹谷まで酷いな。俺は正気!!―――絶対入ってほしい!!


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