生物委員会委員長は苦労人

□09:伊賀崎
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『君は有毒生物たちを大切にしているんでしょ?』

「……そうです…」


『生物委員会に入ったら何時でも沢山の生物と触れ合えるし、ジュンコ達の餌もどうにかなる。友達も増えるよ』

「本当ですか?……ジュンコたちを受け入れてくれますか?」



餌などは如何しているのかは知らないけれど、一人で捕まえたりしているのなら体力にも限界が来る。

かといって、有毒生物を放っていたら他の生徒達が怪我をするかもしれないし、上級生に絡まれでもしたらこの一年生が危ない。

委員会での保護と云う名目でなら予算を出して貰い餌代に回す事も、皆で餌を捕まえに行く事だって可能になる。―――後は竹谷の同意。



『勿論ですとも。竹谷も良いですか?』

「委員長の決めた事には逆らえませんよ」



何時も言いたい放題言ってるだろうが。ま、問題解決?―――さて、予算会議頑張らんとな。



『あ、その前に。君はどの委員会にも所属していませんよね?一応確認です』

「入ってません。……生物委員会に入っても良いですか?」



入ってくれる気になった今がチャンス!!今は生物委員が俺と竹谷だけだったしこれで人材確保!!後輩が増える事は喜ばしい!!



『勿論!』

「歓迎するぞ」



竹谷と顔を見合わせる。――竹谷、少し顔が引き攣っているけど大丈夫だろう。後輩には優しいし。



「ぼくは伊賀崎孫兵と言います。こっちは毒蛇のジュンコ。こっちが毒蠍のジュンイチです」

「俺は生物委員三年の竹谷八左ヱ門」

『私は生物委員会委員長をさせて頂いております四年の久々知舞琴です。ようこそ生物委員会へ!!
是から宜しくお願いしますね。伊賀崎くんにジュンコ、ジュンイチ』



これは俺と竹谷の二人だけの委員会に新しい仲間が加わった瞬間で、竹谷に初めての後輩が出来た瞬間でもあった。



****



まあ、まさか伊賀崎が此処まで酷い毒虫熟愛少年だったとは知らなかったし、俺自身が学園に殆ど居られなくなるとは思ってもいなかったのだが。

今や生物委員会の飼育小屋は伊賀崎の個人的なペットが半数を占めている状態。―――結局一番の被害者は竹谷なのだった。



番外編END
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