生物委員会委員長は苦労人

□10:竹谷
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【10:八左ヱ門】



勝手に舞琴先輩の部屋を集合場所にした事をとても怒られると思い土下座で謝ったが、
(先輩が俺をくん&tけしてたのは生物委員会委員長代理を任されるまでだったし)
舞琴先輩は上級生が下級生の前で余り土下座を見せるモノではない。と言われ、顔を上げても全く怒ってなどいなかった。

逆に舞琴先輩は、下級生の各委員を全委員周らずに済んで手間が省けた。と言って誉めて下さった。―――相変わらず撫で癖は治っておられない。



そこも先輩らしくて落ち着く。今では舞琴先輩に撫でられるのは嫌ではなくなったし。―――成長を認めてもらえているみたいで嬉しいし。

下級生は舞琴先輩の指示をしっかり聞き、良い返事をしていた。


―――きり丸の言葉で一時はどうなるかと思ったが、それも素の先輩の言葉が響いたのか、丸く収まった。

今は下級生も解散して先輩の部屋には俺とタカ丸さん、そしてこの部屋の主舞琴先輩だけ。



「竹谷、斉藤、明日からの授業なんだがな。教科に関して上級生は私達三人しか受けていない」

『そうですね』

「そうだねぇ〜」



それがどうしたんですか?と云う顔で先輩を見やる。



「んで、先生方に提案したんだよ。私達三人は教科だけは同じ授業を受ける事にして下さいって」

『は?……ええぇぇえ〜?!!』


「僕達、学年違うのに大丈夫なの???」

『何でタカ丸さんそんなに冷静なんですか?!』



冷静って言うより何も考えてないって感じがするけど、言ってる事が的確ですよ?!



「落ち着け竹谷。部屋は五年は組の教室を使う。教科内容については先生方に考えて頂くように言っておいた。先生は誰が受け持つかは私もまだ分からん」

『へぇ。………そうですか。てか、五年は組なんてあったんですね…』

「明日のお楽しみかぁ〜。楽しみだねぇ」



相も変わらずのマイペースさ加減ですねタカ丸さん。明日から忙しくなる。



「あ、そうだ。竹谷、斉藤」

『何ですか?』

「ん?な〜に〜」



今日はもう休もうとタカ丸さんと先輩の部屋を出ようとした時先輩が俺達を呼びとめる。――――そして、



「二人とも、お疲れさま。また明日。良い夢を――」



(ああ、これも)舞琴先輩らしいな。と部屋を出てタカ丸さんと二人して笑い合うのだった。


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