生物委員会委員長は苦労人
□31:伊賀崎
1ページ/3ページ
【31:孫兵】
う〜ん。気に喰わない。………何がって?そりゃ舞琴先輩が全然ぼく達に構ってくれない事。
最近は竹谷先輩にタカ丸さんが何時も何時も舞琴先輩の傍に居る。――――二人とも舞琴先輩を離さないなんてズルイ!!
外に半ば強引に連れ出した後、生物飼育小屋までの移動中ずっと考え事をしている舞琴先輩。―――今回の案【舞琴先輩の息抜き作戦】はぼくが提案した。
ずっと頭を撫でてくれているのは嬉しいけど………。ぼく達の事見て下さい!!
『舞琴先輩………』
「…ところで伊賀崎。何をして遊ぶんです?」
『生物委員会で飼育している動物達と触れ合いましょう!!最近舞琴先輩来ていなかったので動物達が落ち込んでしまって』
もっともな質問に即答する。―――それに舞琴先輩が大の動物好きなのは、生物委員長を務められている時点で皆知っている事だから。
「動物との触れ合い……良いですね!!」
ほら目が輝いていらっしゃる。――他の下級生は何だか顔色が悪いけど?
『着きましたよ!!』
生物小屋の戸に手を掛け、開ける。
「あ、伊賀崎先輩待って下さい!」
孫次郎が何か言って――――ああぁぁああぁ〜ッ!!!
戸を開いた瞬間、中から飛び出す動物や虫達――そのうちの一匹、竹谷先輩にしか懐いていない狼が舞琴先輩に跳びかかる。
「「「「琴先輩危ない!!…うわぁ?!」」」」
保健委員の数馬に左近、伏木蔵に乱太郎が舞琴先輩に駆け寄る。が、何故か四人して穴の中。……綾部先輩が何時か掘っていたやつだろうなぁ。
『舞琴先輩、大丈夫ですか?!』
そんな呑気なバヤイではない事を思い出し、急いで舞琴先輩に目を向けたのだが、………??
因みに不運委員は他の下級生が救出中。あ、巻き込まれてる。
「はは、相変わらず元気が良いな君達は」
そんな事を言いながら、動物達に擦り寄られている舞琴先輩。――狼の他に烏、爬虫類等などが舞琴先輩に群がっていた。
.