生物委員会委員長は苦労人

□31:伊賀崎
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【31:孫兵】



う〜ん。気に喰わない。………何がって?そりゃ舞琴先輩が全然ぼく達に構ってくれない事。

最近は竹谷先輩にタカ丸さんが何時も何時も舞琴先輩の傍に居る。――――二人とも舞琴先輩を離さないなんてズルイ!!


外に半ば強引に連れ出した後、生物飼育小屋までの移動中ずっと考え事をしている舞琴先輩。―――今回の案【舞琴先輩の息抜き作戦】はぼくが提案した。

ずっと頭を撫でてくれているのは嬉しいけど………。ぼく達の事見て下さい!!



『舞琴先輩………』

「…ところで伊賀崎。何をして遊ぶんです?」

『生物委員会で飼育している動物達と触れ合いましょう!!最近舞琴先輩来ていなかったので動物達が落ち込んでしまって』



もっともな質問に即答する。―――それに舞琴先輩が大の動物好きなのは、生物委員長を務められている時点で皆知っている事だから。



「動物との触れ合い……良いですね!!」



ほら目が輝いていらっしゃる。――他の下級生は何だか顔色が悪いけど?



『着きましたよ!!』



生物小屋の戸に手を掛け、開ける。



「あ、伊賀崎先輩待って下さい!」



孫次郎が何か言って――――ああぁぁああぁ〜ッ!!!

戸を開いた瞬間、中から飛び出す動物や虫達――そのうちの一匹、竹谷先輩にしか懐いていない狼が舞琴先輩に跳びかかる。



「「「「琴先輩危ない!!…うわぁ?!」」」」



保健委員の数馬に左近、伏木蔵に乱太郎が舞琴先輩に駆け寄る。が、何故か四人して穴の中。……綾部先輩が何時か掘っていたやつだろうなぁ。



『舞琴先輩、大丈夫ですか?!』



そんな呑気なバヤイではない事を思い出し、急いで舞琴先輩に目を向けたのだが、………??

因みに不運委員は他の下級生が救出中。あ、巻き込まれてる。



「はは、相変わらず元気が良いな君達は」



そんな事を言いながら、動物達に擦り寄られている舞琴先輩。――狼の他に烏、爬虫類等などが舞琴先輩に群がっていた。



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