生物委員会委員長は苦労人2
□58:尾浜
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【58:勘右衛門】
『ぅ…ん…??』
目を覚ますと俺を心配そうに覗き込む兵助の顔。
その横には三郎と雷蔵も居る。
「勘右衛門、目が覚めたかっ」
「私達が誰だか分かるか?」
『……兵助と双忍…あいたッ』
「「纏めて言うな」」
「如何やら正気みたいだな」
正気ってなんだよ正気って…。
「琴先輩、勘右衛門が目を覚ましました」
??そういや俺なんで寝てたんだっけ?
「あ、気が付いてよかったです」
………????あれれ?
『兵助が二人居る…』
「まだはっきりしていない様なのだ」
「此方は兵助のお兄さん」
「舞琴先輩。略して」
「「琴先輩」」
『はあ……。……!!?えッ!?兵助お兄さん居たの?!』
「お初見御目にかかる。六年い組 久々知舞琴です。生物委員会委員長もしています。以後お見知りおきを」
『如何もご丁寧に…。俺、私は弟さんと同室させて頂いている尾浜勘右衛門と言う者です。弟さんには日頃からお世話に――』
「「「何の会話だ!!」」」
「五年生は本当に皆仲がいいんですね」
俺達の会話を聞きながらクスクスと笑う舞琴先輩…琴先輩?の動作はしなやかで美しい…。
「さて、では潔く謝罪を済ませてしまいましょうか。尾浜」
『謝罪?何の………あ、……すみません、理解しました』
琴先輩の言葉が理解できず首を傾げたところ、後ろから凄く冷たい視線を感じ振り向くと くのたまが此方を睨んでいた。
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