生物委員会委員長は苦労人2
□61:学園長
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「して、お話とは?」
『久々知の事じゃ。彼奴、今夜中に上級生全員の奪還を図るとのことじゃ』
「!!それはまた急な」
『そろそろ、面倒になってきたのじゃろうな。残りは六年生のみと言っておったし、彼奴が一番手加減せずに関われる相手じゃ』
「あぁ…。遂に出ちゃいました?久々知の面倒癖」
久々知舞琴は後輩贔屓の面倒見のいい生徒ではあるが、意外と面倒くさがりで大雑把な性格をしている。
日ごろあまり表には出さないようにしているが、こうも女神事件が長引き、他国からの戦予告もあれば、彼奴とて痺れを切らすじゃろう。
『さっさと、上級生を正気に戻し、戦への対策と女神の保護に重点を置くとのことじゃ』
「は、作用で……。ん?女神の保護?!」
『そうじゃ。保護』
「久々知がそう言ったんですか?!」
やはり、驚くわなぁ。わしも大層驚いたものじゃ。
『なんでも、女神には“帰らねばならぬ場所”があるらしくての。敵国に捕まると戻ることが出来なくなる可能性があるから、保護したいとのことじゃ』
「それはまた……くのたまが何というか…」
『それについても、何とかするので任せてほしいと言ってきよった。迷いのない、良い目をしてのぉ』
「そうですか。まぁ、この件は私たちが久々知を信じて託しているのですから、久々知に任せましょう。我々は信じて待つのみです」
そうじゃ。後は信じるのみ。
『戦に関してはわし等が生徒を守れるよう、このまま準備を進めておくことじゃ』
「はい、教師陣にも伝えておきます。それでは、失礼します。」
さて、久々知の選択は吉か凶か。
雲行きが怪しくなってきたの。
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