生物委員会委員長は苦労人2

□61:学園長
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【61:学園長】



さて、何やら嵐の予感がするのぉ。



「失礼致します。学園長、少し宜しいでしょうか」



久々知か。ふむ、くのたまの事件以来じゃな。



『入りなさい』

「はっ」

『ふむ、いい顔つきになったのぉ。何か心境に変化でもあったかのぉ?』



迷いが薄れ、目的が定まったとても云う様な顔つきじゃ。



「はい。自分がどう動くのかを定めました。心の置き場所も」

『ほっほっ。それはいいことじゃ。して、聞いても?』

「はい。今夜―――」




「それでは失礼致します」





久々知から報告を受け、顔が綻ぶ。

あの子には大切なものが沢山ある。己の生徒が闇に沈まず、目標を持ち行動できることは望ましいことだ。



「学園長先生、失礼いたします。先ほど久々知が来ていたと聞き…」



生徒の成長に喜び感傷に浸っていると、これまた、あの子を大切に思う教師、山田伝蔵が声を掛ける。



『ふむ、入りなさい』

「はい。失礼します」

『生憎と久々知は先ほど出て行ってしまったがのぉ、少し話に付き合いなさい』

「はぁ、そうですか。では、僭越ながら」



そういい、山田先生は庵に入り姿勢を正す。



「ヘムヘムー」

「お、どうも」

「ヘムーヘムヘム」



ヘムヘムが山田先生とわしにお茶を出す。


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