生物委員会委員長は苦労人2
□61:学園長
1ページ/2ページ
【61:学園長】
さて、何やら嵐の予感がするのぉ。
「失礼致します。学園長、少し宜しいでしょうか」
久々知か。ふむ、くのたまの事件以来じゃな。
『入りなさい』
「はっ」
『ふむ、いい顔つきになったのぉ。何か心境に変化でもあったかのぉ?』
迷いが薄れ、目的が定まったとても云う様な顔つきじゃ。
「はい。自分がどう動くのかを定めました。心の置き場所も」
『ほっほっ。それはいいことじゃ。して、聞いても?』
「はい。今夜―――」
「それでは失礼致します」
久々知から報告を受け、顔が綻ぶ。
あの子には大切なものが沢山ある。己の生徒が闇に沈まず、目標を持ち行動できることは望ましいことだ。
「学園長先生、失礼いたします。先ほど久々知が来ていたと聞き…」
生徒の成長に喜び感傷に浸っていると、これまた、あの子を大切に思う教師、山田伝蔵が声を掛ける。
『ふむ、入りなさい』
「はい。失礼します」
『生憎と久々知は先ほど出て行ってしまったがのぉ、少し話に付き合いなさい』
「はぁ、そうですか。では、僭越ながら」
そういい、山田先生は庵に入り姿勢を正す。
「ヘムヘムー」
「お、どうも」
「ヘムーヘムヘム」
ヘムヘムが山田先生とわしにお茶を出す。
.