生物委員会委員長は苦労人2
□71:斉藤
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【71:タカ丸】
―――――――その頃忍術学園では――
いつものように、寝る時刻になるまで舞琴くんの部屋で時間を潰そうと思い、喜八郎たちと共に部屋を訪ねると、今日は舞琴くん一人だけだった。
『あれ〜?珍しいねぇ。今日は僕たち以外誰も来てないの〜?』
「本当ですね」
「琴先輩の部屋には必ず誰かいるイメージなんですが」
「今日は静かですねぇー」
「…君たちですか。どうしました?私に何か用ですか?」
………なんだか違和感。
『うーん……。まだ寝るまで時間があるから暇つぶしにねぇ〜。今日は、竹谷くんはぁ?』
「竹谷なら今日は先に休んでいますよ。他の五年生も今日は早めに休ませています。いろいろあって疲れているでしょうから」
あれぇ…気のせい?
「伊作先輩と久々知先輩はどちらに?」
「彼らの同室者も正気に戻りましたから、二人とも部屋へ返しました」
久々知くんの同室ということはっ。
『!!尾浜くんも正気に戻ったの?!』
「「「流石、琴先輩だっ」」」
いつの間に!?僕、食満くんには会ったけど、尾浜くんには会ってないよ〜っ。
「実は、昼間にいろいろありまして、残りは六年生四名です」
『やったねっ!!これで後もう少しだよ〜!』
正気に戻すことに貢献できなかったことは悔しいけど、漸く上級生がここまでそろったのは喜ばしいことだと思う。
「そうですね」
それなのに、舞琴くんはあまり嬉しそうじゃない。
それに、さっきから目を合わせてくれない。
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