生物委員会委員長は苦労人2

□75:久々知
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【75:舞琴】



『おやすみなさい。良い夢を』



いつもの挨拶をして、事務横の自室へ戻る。

全員正気に戻ったことで各自自室へ戻り(竹谷・斉藤・兵助は同輩に連れられ嫌々自室へ戻った)、久方ぶりの一人。

元々三人部屋を使用していた頃より部屋は狭いが、一人で居るには広すぎる。

事務室の横ということもあり、長屋から離れており後輩たちの気配も遠い。



『………。学園長の任務で慣れた筈なのにな…』



外ではいつも一人だ。長い間、忍術学園を離れていたのに、ここ数か月で後輩たちと一緒にいる時間が増え、返って心細さが募る。

俺は弱くない。心細くなんてない。気のせいだ。

―――――忍びの三病に陥るな。


因みに忍びの三病とは、

一、恐怖を抱く  → 一年ろ組
一、敵を侮る   → 神崎<左門>・次屋<三之助>・一年い組
一、思案を過ごす → 不破

ついでに三禁についても教えておこう

一、酒
一、欲
一、色

である。


って、誰に説明してるんだ俺!!



『よし寝よう。今すぐ寝よう。そうだそれがいい』



暗闇の中目を瞑る。いろんな出来事が走馬灯のように脳内を駆け巡る。

全て片付いたら、もう一度学園を出よう。もっと強くなろう。

大切なものを失わないために―――。


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